20代の会社員が「コツコツ投資」で十分な理由 短期で儲けようとすると結局は失敗しやすい

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コツコツ投資を20代から続けることの優位性について、もう少し見ていきましょう。

株式市場は一日一日の値動きだけを見ると、ランダムに動いているように見えますが、長期的に見ると上昇と下落を繰り返していることがわかります。また、個別株の株価は日々変動しますが、長期的に見ると企業価値に見合う水準に近づくと言われています。つまり、業績が堅調であれば、一時的に暴落してもずっと下落し続けるわけではなく、本来の価値に見合う株価水準に回復するということです。

実際、一貫して成長を続ける相場も存在します。たとえば、アメリカの代表的な指数であるS&P500種株価指数は、約20年前の1998年末には1231ポイントでした。しかし同国の成長を背景に、2018年9月21日現在、同指数は2929ポイントとなっており、9月20日には史上最高値を更新しています。途中では乱高下はあったものの、長期的に見ると一貫して上昇していることがわかります。

このように投資を長期間継続することで、短期的な相場の上昇や下落に左右されずに、投資対象の成長による恩恵を享受できるのです。

購入単価を下げられるので下落相場もメリットに

投資リスクを軽減する方法として分散投資が有名ですが、分散投資は大まかに分けて2つあります。1つはさまざまな資産クラスに投資する「資産分散」、もう1つが買うタイミングを分散させる「時間分散」です。

コツコツ投資は、長期間、積立投資を行うことで、「時間分散」の効果を得ることができます。

投資信託を購入する場合、毎月同じ金額を投資していれば、基準価額の下落局面でより多くの口数(投資信託の取引単位)を買い増しできます。こうすることで、たとえ最初に買った基準価額まで相場が回復しなかったとしても、基準価額が上昇した際には、投資元本以上の運用成績を上げられる可能性が高まります。つまり、積立投資によって買うタイミングを分散させることで、下落を味方につけ、元本割れリスクの軽減が期待できるのです。

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