サラリーマンブランド戦略、4つの考え方 個人として生き抜くための方法

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3.人に言いたくない弱み → 価値に変換する

人は権威に弱いという心理学の理論があります。有名大学出身で大手会社でそれなりの立場にいる人だと知れば、つい一目置いてしまいます。でも、それは結局どこに所属しているか、であって、個人として何ができるか、ではありません。

例えば、「私は大学を出ていません。だから実績で証明するしかないんです」と言うと、逆に面白がられ、「大学でマーケティングについて講師をしてほしい、日本で新規事業を考えているんだけど手伝ってくれない? 」と頼まれたり、副業で立ち上げた事業に投資したい人たちから興味を持ってもらえました。

エリートと呼ばれる学歴の高い人たちと会食する場では、どうしても低学歴であることを隠したくなる心理が働きます。しかし、サラリーマンは個人の弱みを利用して、人に興味をもってもらえる主張に変換できる力が必要です。

人の心に響くランキングが "ここ (Which Marketing Messaging Types Resonate the Most)" にあります

個人でも意味は通じるので紹介しときます。注目したいのは、1位:47% 面白さ、2位:46% 現実の生活感です。 この1位、2位が交わるとき、あなたの思いが価値に変換され、相手に伝わります。

4.スタバなう → ブロガーへ

例えば、フェイスブックのチェックイン機能で "スタバなう"、"成田空港なう" などの位置情報を共有する人がいます。私はこういう人間だ、実生活ではこんなことをしている人間だ、といった個人を表す道具になっています。

これは個人のブランド構築の大きな武器です。しかし、サラリーマンはもう一歩踏み込むべきだと考えています。ブロガーとなって、個人の考えを発信するべきです。

昔、むかし、個人が入手する情報は組織の上から下りてくるものでした。上にいるほど多くの情報に接することができました。

今はどうでしょうか?会社の階層と関係なく、自由に情報を入手できるようになりました。誰もが個人の考えを手軽に発信できる時代になりました。社内と社外をタブレット、スマートフォン片手に、その境界線を出入りできるようになりました。

ブログは日記と訳されるくらいなので、個人の考えを伝える道具に最適です。37%の世界のマーケターはブログを最も価値ある道具だと思っています。今年2013年はブログを活用したキャンペーンマーケティングが66%増えました

しかも日本はブログ訪問者1人当たりの平均訪問時間が世界1位です。日本人は多くの時間をブログで過ごしてくれます。

だから私もブログを書きます。想いを伝える達人である"Thought Leader"に近づくために。

瀬戸 和信 SONOS JAPAN 日本代表/ギャラップ認定ストレングスコーチ

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せと かずのぶ / Kazunobu Seto

日本人の新しい習慣を創出する業務に携わる。Microsoftでは「Surface」の日本初代製品責任者として“新しいパソコンの使い方”を、Fitbitでは日本事業立ち上げメンバーとして“腕時計で健康増進するという習慣”を日本で広めてきた。2018年より現職に就き、日本での音楽の新しいライフスタイル提案に力を注ぐ。著書に「NewsPicks」の人気連載を書籍化した『クリエイティブ思考の邪魔リスト』と『「自分」を殺すな、武器にしろ』(いずれも朝日新聞出版)がある。

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