サッカーW杯熱狂の陰で開幕したFリーグの今 AbemaTVは観るフットサルを定着化できるか

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 特に5つ目は非常に重要なポイントだったはずだ。

AbemaTVは、Fリーグのコアなファンを5万人と算出するも、日本全国に150万人いるとも言われるフットサルプレイヤーたちを潜在顧客ととらえ、彼らにFリーグの魅力を届けることで、視聴者数が飛躍的に伸びることを期待した。

そこで、AbemaTVは、スピーディで迫力があるFリーグの特徴を最大限に伝えるため、1試合あたり4〜5台のカメラを用意し、その特徴をより魅力的に伝えるための画作りを行い、テレビに匹敵するクオリティの高い映像を配信した。

Fリーグのファンにとってみれば、会場に足を運ぶことができない日でも、国内最高峰のフットサルリーグを迫力ある映像で楽しむことができる視聴環境は、涙が出るほどありがたいことだろう。

先日、スペインへの移籍を発表したフットサル界の若手スター、清水和也選手(筆者撮影)

AbemaTVの本気

こうして、大きな可能性を信じ、AbemaTV・フットサル関係者が協力しながら取り組んできたFリーグの配信事業は、昨シーズン、1試合平均で計10万回視聴される規模となり、主に若者を中心に、フットサルの魅力に触れる機会を提供した。

さらに、今シーズンからは、新たにプロモーション映像を制作するなど、今まで以上に映像制作に力を入れている。この意図について、株式会社AbemaTVのスポーツ局編成部プロデューサーとして、Fリーグ配信事業の成否を担うキーマンの北澤哲也氏はこう語る。

「今シーズンは、今まで以上に、試合に挑む選手たちのドラマを見せていきたいと考えています。今年から新しく始めたプロモーションビデオは、選手の経歴やこれまでの背景が伝わるドラマが視聴者にわかりやすく届くように制作されています。

また、試合直前にロッカールーム前からライブ中継を入れたり、試合が終わった後にも、ロッカールームレポートを取り入れるなど、リーグやチームの協力のもとで、新しい取り組みを増やしました。試合前に、選手たちがどんな様子でロッカールームから出てくるのか。選手たちの様子が緊張感とともに、観る方に伝わればと思っています」

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