狂気なほど金持ちアジア人に全米が沸くワケ 「クレイジー・リッチ!」大ヒットの内幕

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オールアジアンキャストにもかかわらず、アメリカで異例のヒットとなっている『クレイジー・リッチ!』(© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT)

映画『クレイジー・リッチ・アジアンズ』(邦題:クレージー・リッチ!)が快調に飛ばしている。『ハリウッド・レポーター』(8月26日付)によると、同作は公開2週目にして早くも今年の映画作品としては最高の興行成績を上げ、同日までに7680万ドルを売り上げている。オールアジアン・キャスト(出演者全員がアジア系)のうえ、著名俳優がほぼ出ていない映画でこれだけの大ヒットになるのは異例と言える。

ハリウッドでも多様性が課題となっている中で、アジア人に焦点を当てた映画を制作したわけだが、映画に反応しているのは「アジア系」アメリカ人だけではない。

アジア系以外の映画評論家からも「この映画のおかげでロマンチック・コメディにもう1度恋することができる」「心が温まる超大作。ロマンチック・コメディというジャンルに必要な要素を兼ね備えている」との評価を得ているほか、映画批評サイト「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」では、8月31日現在、満足度93%を獲得している。

ストーリーは現代のシンデレラ物語

『クレイジー・リッチ・アジアンズ』は、2013年の同名ベストセラー小説の映画化である。「クレージー・リッチ」とは、狂気なほどの富豪という意味。その名のとおりとんでもない富豪の世界が舞台になった、ロマンチック・コメディだ。

ストーリーは単純で、いわば現代のシンデレラ物語である。見どころはディテールにあるので、筋書きを途中まで明かしても問題はないだろう。

主人公は、ニューヨーク大学の経済学教授レイチェル。若くして有名大学の教授職に就くほど聡明な彼女は、母親が女手ひとつで苦労して育てた中国系アメリカ人だ。彼女にはハンサムなボーイフレンドがいる。シンガポール出身のニックで、もう数年付き合ってきた。

そのニックの親友が結婚式を挙げることになり、2人でシンガポールへ旅立つところから物語がどんどん展開していく。ニックが「超」がつくほどの大富豪一族の出であることが、玉ねぎの皮をむくように明らかになっていくのだ。

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