48歳、不倫され別れた女をなお愛す男の境地 結婚11年で離婚、激しすぎる暴力を受けても

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元妻からひどい暴力を受け、不倫された揚げ句に離婚した(筆者撮影)
単純計算すると3組に1組の夫婦が離婚している日本。そこにいたるまでの理由は多種多様だ。そもそも1組の男女が、どこでどうすれ違い、離婚という選択肢を選んだのか。それを選択した一人ひとりの人生をピックアップする本連載の第4回。現代社会が抱える家族観や結婚観の揺らぎを追う。

かかと落としを食らわせられて

「離婚から何年経っても、妻の『殺してやる!』という形相が忘れられないんですよ。本当にあの瞬間は恐怖でしたね」

ワイシャツに、黒のズボンといういでたちで現れた中島正弘さん(仮名・48歳)は、やや緊張ぎみにそう切り出した。頭にはそれまでの苦労が現れたかのように、年齢の割には白髪が目立つ。中肉中背で、物腰の柔らかい、優しい雰囲気の男性である。

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正弘さんは、現在、愛知県内の介護施設で管理運営者として働いて生計を立てている。ちょうど30歳の頃に、6歳年下の元妻の育美(当時24歳)と結婚し、11年にわたる結婚生活を経て41歳のときに離婚した。

育美と出会った直接のきっかけは、正弘さんが働いていた印刷会社だった。正弘さんは、工業高校を卒業後、印刷会社に正社員として入社。数年後、その職場に派遣の事務社員として入ってきたのが育美だったという。

育美は、性格的にも見るからに破天荒で危ういところがあった。

かつては女性と付き合っていたことを公言し、風俗で働いていた経験についても隠そうとはしなかった。あけすけな女性で、彼女の勢いに圧倒される形で、交際がスタートした。

そんな奔放なキャラクターであった育美が、熱病に冒されたかのように(自分と)「結婚したい」と言い始めたのは、正弘さんにとって少し意外だった。

「彼女のほうから、結婚しようというノリがとにかく強かったんです。最初からペースに支配されている感じでしたね。向こうに押されるままに、結婚話が進んでいったんです。元妻にはなるべく若いうちに、結婚して子どもを産むというライフプランがあったようです。今思うと、私のことを好きだったというよりは、たまたま都合の良い男がひょっこりと目の前に現れたという感じだったと思います。とにかく彼女のエネルギーにぐいぐい押される感じで、結婚モードが加速していったんです」

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