"追い風"住宅業界が怯える「反動減」の衝撃 10~12月の住宅景況感は急落。この意味は?

拡大
縮小

通常、住宅は引き渡し時点の税率で消費税が課されるが、今回の増税に際しては特例として、今年9月末までに契約を結べば、来年4月以降の引き渡しでも税率を5%に据え置く「経過措置」が取られた。

そのため、ハウスメーカーの回答でも「9月の消費増税の駆け込み需要で大幅に増加」「戸建注文住宅の経過措置終了に伴う駆け込み受注で実績が伸びた」など、駆け込みに関するコメントが多く聞かれた。

メーカーは反動減にも動じず

山高ければ谷深し。駆け込み需要の後には、当然ながら反動減が控えているはずだ。

ところが、ハウスメーカーは10月以降をそれほど悲観しているわけでもない。10月30日に2013年第2四半期(4~9月期)の決算を発表したパナホームは、「消費増税の反動減は緩やか」とコメント。戸建て住宅で最大手の積水ハウスも、「年収800万円以上の顧客層は安定的な需要がある。政策効果もあり、増税影響は限定的」との見方を示す。

彼らが「反動減は緩やか」と判断する最大の理由は、消費増税に伴う負担増の軽減策として政府が導入を決めた「住宅ローン減税の拡充」と「すまい給付金」だ。

現行では住宅ローン減税の最大控除額は200万円だが、消費増税が8%に引き上げられた後は400万円まで拡大される。また、消費税8%の場合、年収510万円以下の世帯には最大30万円が給付される(いずれも2017年末までの措置)。

次ページ景況判断指数は急悪化
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT