スマホゲームの王者がパズドラと組むワケ スーパーセルCEOにソフトバンクグループ入りの狙いを聞く

拡大
縮小

それは、「よりよいものを作る」という考え方だ。その意味で、ガンホーを兄弟のように感じることもある。なぜ、ライバルのガンホーと手を組むのかという疑問もあるだろうが、それは古臭い考え方だろう。両社が手を組むことで、互いを補完し合い、さらなる価値を生むことができる。ガンホーは日本で成功しており、スーパーセルは米国や欧州で強い。互いのノウハウを生かし、さまざまな支援ができると思っている。

――具体的にどのような取り組みを行うつもりか。

ガンホーとコラボする中で、日本での広報や広告のやり方を教えてもらっている。これは続けていきたい。スーパーセルも、ゲームを展開する世界各国でガンホーに支援することができるだろう。今回、グループ入りを決めたいちばんの理由は、長期でスーパーセルの独立性を維持しつつ、事業を展開していけるからだ。ソフトバンクグループとの具体的な取り組みは現段階では特にないが、可能性はあると思っている。

――日本には世界を代表するゲーム企業、任天堂がある。任天堂のことをどのように考えているか。

 ファミリーコンピュータの「スーパーマリオブラザーズ」と「ゼルダの伝説」は子供のころから大好きなタイトルだ。任天堂が本当にすごいのは、ゲームが世界中の人々に愛され、嫌いな人がいないこと。本当に完璧なゲームとキャラクターを作っている。非常に憧れる存在だ。

――どのような会社になりたいか。

スーパーセルは若い会社だが、クラッシュ・オブ・クランは米国で1位、日本でも3位、中国でも2位を記録し、良いスタートが切れたと思っている。これからも、(孫正義社長が「300年ビジョン」を主張するように)300年の歴史を積み重ねていきたい。

目標であるグローバルナンバーワンカンパニーになるためには、世界中のユーザーを結ぶことが重要だ。そのために、非常にハマるようなゲームを作っていかなければならない。だが、非常に難しいのは、完璧なものを目指す中でも多くの失敗があることだろう。時間と辛抱が必要だ。ソフトバンクは、そうした長期の観点を持って支援してもらえる、よりよいパートナーだと思っている。

田邉 佳介 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT