謎の仏貴婦人が与えてくれた、重大なヒント 「小泉脱原発宣言」と日本デフォルト(上)

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私がこう答えたのには理由がある。飛騨高山は乗鞍岳を筆頭とした高い山々に囲まれており、アクセスが限られている。その一方で「スーパーカミオカンデ」で知られる旧神岡鉱山がすぐ傍らにある。そして南は名古屋から太平洋へ、北は富山から日本海、さらにはユーラシア大陸へと連なる道のりの真ん中にある。

実はこの状況は金融立国として知られる「スイス」と似通っている。欧州を東西南北に分けたとき、その真ん中に位置しているのがスイスだ。そして何よりも山がちであり、そこに財宝を隠すことのできる天然の要塞を見つけ、金庫を造ることはそう難しくはない場所、それがスイスなのである。

そうした私の直感的な分析を聞いた社長と宴のホストである経済人は、共に膝をたたいて口々にこう言った。

「なるほど、それで合点が行きました。続々と来る外国人たちは、話を聞くと、どうもその多くがユダヤ系であるようなのです。教えてくれはしませんが、何かの話を聞きつけてこの飛騨高山まで来ているとしか思えない。私たち日本人にはうかがい知れないストーリーです。そう考えてみると、“東洋のスイス”の候補地として、わざわざこの山奥まで来たとしても不思議ではありませんね」。

これを聞いて私は「そうであるならば、まずはパリの貴婦人にあらためて連絡をとり、『そういうことなのですか』と尋ねてみるのがいい。もし『そうだ』との答えを得たらば、彼らがつくる前に地場の方々が今はやりの『国家戦略特区』を利用して、金融特区をつくってしまえばいいのではないか」と答えた。何も、地の利の果実を、彼らにだけ取られる必要はまったくないのだ。飛騨高山はわが国であり、わが国を仕切るのは私たち日本人なのであるから。
「なるほど。では早速、動いてみることにしましょう」と、根っからの熱血である社長はそう答え、翌日から動き始めたという。(このあと、驚天動地の結論が待っている下へ続く。下は11月5日掲載予定です(→下を読む。5日以降ご覧下さい)

なお、IISIA代表・原田武夫の話を直接お聴きになりたい方は、来年1月に東京と大阪で開催される「2014年 年頭記念講演会」にお申込みください。

原田 武夫 原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役

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はらだ たけお / Takeo Harada

原田武夫(はらだ・たけお)株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役(CEO)。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務公務員Ⅰ種職員として入省。12年間奉職し、アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に自主退職。情報リテラシ―教育を多方面に向けて展開。自ら調査・分析レポートを執筆すると共に、国内大手企業などに対するグローバル人財研修事業を全国で展開。学生を対象に次世代人材の育成を目的とする「グローバル人財プレップ・スクール」を無償で開講。近著に『「日本バブル」の正体~なぜ世界のマネーは日本に向かうのか』(東洋経済新報社)、『インテリジェンスのプロが書く日本経済復活のシナリオ ――「金融立国」という選択肢』(中経出版)。9月に『それでも「日本バブル」は終わらない』(徳間書店)が刊行。12月6日に『ジャパン・ラッシュ――『デフレ縮小化』の中で日本が世界の中心となる』(小社刊)が刊行。 原田氏の話を直接お聞きになりたい方はこちらへ→2014年 年頭記念講演会、東京:1月18日、大阪1月26日

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