ホンダ「N-VAN」の大躍進計画に漂う3つの不安 スズキ、ダイハツに肉薄する思惑はかなうか

✎ 1〜 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 最新
拡大
縮小

ホンダはN-VANの月販目標を3000台としている。つまり、年間目標は3.6万台。新車効果に加えて、独自の商品特性を生かしてアクティ・バンやバモスの時代に比べて、大幅に販売を伸ばし、スズキやダイハツに肉薄したい考えだ。

ただ、ホンダの思惑通りに運ぶかといえば、不安な要素もある。理由は主に3つだ。

価格設定は?

まずは価格設定だ。販売のメインになるともいえるビジネス仕様の「N-VAN L ホンダセンシング」(車両本体価格134万1360円)で試算してみると、フロアマットやサイドバイザーなどのアクセサリーをまったく装着しない状態での支払総額は142万7480円となった。

N-VANと近い条件で、エブリイとハイゼットカーゴと比べてみよう。エブリイバンとハイゼットカーゴでは、車両本体価格をできるだけ近づけるため、それぞれNA(自然吸気)エンジンタイプでの最上級グレードで試算した。

エブリイはジョイン 2WD 4AT(車両本体価格119万6640円+レーダーブレーキサポートを含めたセットオプション4万3200円)で試算したところ、支払総額は133万7480円となった。ハイゼットカーゴはクルーズ“SAⅢ”2WD 4AT(車両本体価格124万2000円+CDプレーヤー付きAM/FMラジオ1万5962円)で試算したところ、支払総額は131万1142円となった。

同じ軽商用バンとはいえ、かなりキャラクターも異なるが、もともとのベースで7万~8万円ほどはN-VANのほうが支払額は多い。コストにシビアな法人からエブリイバンやハイゼットカーゴからの買い替えを促すハードルは高そうだ。ちなみに、N-VANとキャラクターの似ているハイゼット・キャディーで、装備内容や価格も近いX“SAⅢ”(車両本体価格135万5400円)の支払総額は139万2780円となるので、このあたりはN-VANもライバル研究はしっかりしているようである。

次ページ2つ目、3つ目の不安要素は…
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT