自民復興本部、東電福島事業分社化提言へ

汚染水対策や廃炉に集中できる体制築けるか

10月30日、自民党の東日本大震災復興加速化本部が、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉・汚染水対策に関連する部門の分社化を来週中にも提言することが明らかになった。写真は昨年7月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 30日 ロイター] 自民党の東日本大震災復興加速化本部(大島理森本部長)が、東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所の廃炉・汚染水対策に関連する部門の分社化を来週中にも提言することが明らかになった。

東電の資本傘下に置いた「社内分社」が検討の軸になる。関係筋が30日、明らかにした。来週にも安倍晋三首相に報告される見通し。

この提言では、福島第1原発の廃炉・汚染水対策に関連する部門を対象に分社化する方向を打ち出す。

その形態について、福島第1関連の完全資本分離や独立行政法人化などの選択肢も提示して「様々な議論がある」としつつ、「明確かつ実現可能な体制を構築すべく検討を行う」とも表現し、社内分社化を軸に据える方向となっている。

この分社化方式を検討するのは、東電が汚染水対策や廃炉に集中できる体制を整備する狙いがある。

現行法の下での除染は「放射性物質汚染対処特措法」に基づき国と各市町村が実施し、その費用を東電が負担する仕組み。環境省は404億円を東電に請求済みだが、東電の支払いは67億円止まりとなっている。現在の除染目標が過大との見方もある中で、東電内部には除染費用の負担に強い拒否感がある。

関係筋によると、復興加速化本部の提言では、計画済みの除染関連費用1.5兆円は従来通り東電に請求し、追加の除染費用と、はぎ取った土を貯める中間貯蔵施設の建設費は、国が負担する方向で調整を進める。

ただ、財源をめぐっては政府・与党内の意見が一致しているわけではない。別の関係筋によると、財務省は復興増税分の使い残しや、電力会社の販売する電気の料金に課税されている電源開発促進税の活用を前提に、電気料金の値上げで対応するべきとの姿勢を示している。

また、その関係筋は、東電の総合特別事業計画(再建計画)取りまとめ前の11月中旬をメドに、国がこの問題でどこまで関与するかを明記した政策パッケージをまとめることで政府部内の調整が進んでいると説明している。

除染・汚染水処理で巨額の税金を投入することになれば、東電の責任を新たに問う声が政府・与党内から起きる可能性もあり、そうした動きが広がり出せば、東電の経営形態見直しの議論を本格的に行う展開も予想される。

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