ニッポンよ、これが格安航空の流儀だ ベストLCCのCEOが日本の"空"をぶった切る!

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すき焼きの値段でシンガポールに行ける

日本路線にかなりの手応えを感じているウィルソンCEO。まだ市場開拓の手綱を緩めるつもりはない。

ウィルソンCEOは、日本での需要開拓に自信を見せる(撮影:今井康一)

「日本の利用者はまだLCCに慣れていない。家に引きこもって旅行しない人、近場の遊園地や温泉には行くが飛行機を使わない人を、いかに開拓するか。

フルサービスの航空会社に比べてこれだけ割安だ、丸ビルですき焼きを食べるのと同じ金額でシンガポールに旅行できる、とアピールしていく」

現時点では、スクートも含めて、日本におけるLCCの認知度は高くない。だが、悲観的になる必要もない。各社がこれまでの経験を踏まえて、日本人に合ったLCCのビジネスモデルを構築し、徐々に知名度を上げていけば、現在は数%にとどまるLCCのシェアがシンガポールのように30%超まで達する可能性は十分にある。

今はまだ芽が出始めた段階。水をまきながらLCCが定着するまで辛抱強く耐えることが何より重要だ。国籍を問わず、日本に乗り入れるすべてのLCCが実績を積み重ねることで、大きな花が咲く日もそう遠くはないはずだ。

鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

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とりうみ こうたろう / Kotaro Toriumi

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。

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