外国人が心底驚いた日本人の「夏の過ごし方」 炎天下の中スポーツまでしちゃう根性

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試合が始まってすぐ、コロンビアの選手にレッドカードが出され、コロンビアは10人で戦わなくてはなりませんでした。相手は1人少ないわけですから、日本にとっては非常に有利な状況です。ギリシャ人だったら誰もが「よし! 相手は少ないから試合をコントロールしやすくなった」と思うような展開です。しかし、私の友人たちが話していたのは「日本は戸惑っているように見えた」ということでした。

ワールドカップという大舞台。しかも大切な1戦目ということで、ほかのチーム同様、日本も綿密に作戦を立てていたと思います。もちろんそれは、11人対11人の試合を想定しての作戦だったはずです。でも、その状況は試合開始後すぐに崩れてしまいました。

状況が違いますから、用意していた作戦どおりにはできない。しかも相手は1人少ない状況ですから、普段と違うプレーをしてくる。そのような想定外の状況の中で日本は、自分たちのペースを取り戻すまでに時間がかかった。それを私の友人たちは「有利なはずの日本が戸惑ってしまった」と表現したのだと思います。

猛烈な暑さは行動パターンを変えてみるチャンス

予定どおりに物事が進まない中で生活をするのは、なかなか大変です。一定のペースを保つことができれば、無駄なエネルギーを使わないで済むことも確かだと思います。ですが、たまには生活のペースを変えてみるのもいいのではないかと思います。それによって、急な状況の変化にも対応できるようになるし、また普段とは異なる視点から物事をみるよいきっかけにもなります。

日本の強みは、よくオーガナイズされ、規律を持って行動することができる点だと思います。でも、たまにはギリシャの生活のように、次に何が起こるかわからないという中で生活してみてはどうでしょうか? もちろん疲れることもありますが、意外と楽しいものですよ!

日本の強烈な夏の暑さは、行動パターンを変える理由にもってこいかもしれません。普段のペースを保ちつつも、何か小さな変化を入れてみるのもいいかもしれませんね。でも、無理はせず、くれぐれもお体にはお気をつけください!

アナスタシア・新井・カチャントニ 通訳、翻訳家、ライター

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アナスタシア・アライ・カチャントニ / Anastasia Arai Katsantoni

ギリシャ生まれ。ギリシャの大学の専攻は物理だったが日本に興味を持ち、現在は通訳、翻訳家、コーディネーター、ライターとして活動。日本のポップカルチャーから伝統文化、料理まで、幅広い分野を研究。また、ギリシャで剣道を教える日本人の夫を手伝う傍ら、自らもギリシャ人に日本語を教え、日本の文化を伝えるべく奮闘中。現在はアテネ近郊に在住。ブログはこちら

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