Airbnb、Uber、Google carの共通点は? 孫泰蔵氏が注目する世界を変えるスタートアップ

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最初に創業者がこのアイデアをプレゼンした時には「クレイジー。自分の家を赤の他人に貸すなんてあり得ない。借りるのも気持ち悪いだろう」と、誰も相手にしてくれなかったようだ。しかし、これが今では大ブレークして世界中に広がっている。東京でも使われている。累計宿泊数が1億を超えて手数料収入も増えており、強烈に儲かるビジネスになっている。

白タクがまかり通る「Uber」

次はUber(ウーバー)という配車サービス。これは、どこかに行こうとしているがタクシーがなかなかつかまらない時に、スマートフォンのアプリのボタンをポチっと押す。すると、近くを通っていて方向が同じクルマから「5ドルで乗せてあげる」「4ドルでいいよ」とメッセージが入る。「この人(クルマ)でOK」とすると、その車が来る。サンフランシスコで実際に使ったのでわかるのですが、5分以内でクルマが来ます。決済はアプリ上で済んでいるので、あとは乗って降りるだけ。

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タクシーのあり方を根本から変えるUber(写真:The New York Times/アフロ)

年間数百億円の利用があり、そのうち10%がUberの手数料収入になる。この会社が先日、資金調達をした際、ものすごい人気でびっくりするような時価総額が付いていた。ベンチャーキャピタルから、それだけ高い評価を受けている。

AirbnbもUberも、日本でこのようなサービスをしようとすると「旅館業の免許はどうなっているのか」「白タクじゃないのか」という点が問題になり、まず誰もやろうとしない。米国でも「トラブルが起こったらどうするんだ」「人に家を貸して、荒らされたらどうするんだ」ということを言う人はいる。でも、まずは新しいことは、やってしまう。そこが重要なポイントだ。

3つ目はGoogle car(グーグルカー)だ。これはグーグルが取り組んでいる無人自動車、ロボットカーのこと。搭載されたレーザースキャナーが1秒間に250万回もスキャンして、地形や障害物などあらゆるものを測り、車間距離をあけたり詰めたりする。私は米国でグーグルの研究員が運転する車の後部座席に乗ったのですが、最初はハンドルを握っていたのに、高速道路に入ったところで後ろを向いた。「大丈夫?」とびっくりしたら「大丈夫。実はさっきまでもハンドルを動かしてなかったんだ。いきなりだと皆さん不安になるので、一応、運転しているようにしていただけ」と。

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