LINE、中国WeChatと体力勝負

アジアの「メッセージ・通話アプリ」2強対決

10月23日、スマートフォンなどで人気の無料メッセージ・通話アプリ。アジアでは中国の「WeChat」と日本の「LINE」が2強だが、両サービスが海外でのシェア獲得を目指して大規模なマーケティング戦略に乗り出している。都内で昨年8月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 23日 ロイター] - スマートフォン(多機能携帯電話)などで人気を集める無料メッセージ・通話アプリ。アジアでは中国の「WeChat」と日本の「LINE」が2強だが、両サービスが海外でのシェア獲得を目指して大規模なマーケティング戦略に乗り出している。

他のメッセージアプリを含むアプリ業界全般がマーケティングにほとんど投資しないことを考えると、2社の戦略は突出した動きと言える。米国の競合サービス「WhatsApp」は広告宣伝費を極力抑え、口コミを通じて欧米で最も人気のあるチャットアプリとなった。

これに対し、中国・騰訊HD(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>のWeChatは今年、海外でのマーケティングに最大2億ドル(約196億円)を費やす。テレビCMにはサッカーのスペイン1部、FCバルセロナのスター選手、リオネル・メッシも起用した。韓国ネイバー・コープ<035420.KS>傘下のLINEは、マーケティング費用の具体的数字については明らかにしていないが、多くの国で芸能人などをテレビCMに起用している。

両社がマーケティングに力を入れるのは、海外でのブランド確立には今がチャンスであり、もし成功すればフェイスブックなど既存の大手交流サイトを脅かす勢力にもなり得るという考えが背景にあるからだ。

WeChatもLINEも、「スタンプ」と呼ばれる絵文字やゲームなど、さまざまな機能でユーザーを引き付けている。しかし、長期的なアクティブユーザーを獲得できているか、今後どこまで広告費を拡大できるかという点では、なお不透明な部分がある。

ロンドンのモバイル・デジタルメディアのコンサルタント、ベネディクト・エバンス氏は「LINEの成長の多くはマーケティングによるもの。問題はどこまでそれを続けられるかだ」と話す。

アクティブユーザー

「Viber」や「Kik」など、多くのメッセージアプリは無料サービスを売りに、特に新興市場で攻勢をかけようとしている。しかし、海外進出には一筋縄ではいかない面もある。アナリストによると、韓国の「カカオトーク」は本国での強さは圧倒的だが、マーケティング力の弱さから海外では普及していない。カカオトークは、広告関連費についてコメントを差し控えた。

「各アプリの違いは、サービスの後ろ盾だ。LINEとWeChatはともに、『普及が第一で収益化はそれから』という世界戦略に資金をつぎ込める」と言うのは、マッコーリー・セキュリティーズのアナリスト、デビッド・ギブソン氏。

両社とも海外のアクティブユーザー数の詳細は明らかにしていないが、アプリのダウンロード数は好調だという。

LINEは、過去2年あまりで2億7000万人の登録ユーザーを獲得し、その80%が海外ユーザーだとしている。タイでは1800万人、スペインでは1500万人が登録。また、LINEがソニーと提携し、スマホ「エクスペリア」にアプリをプリインストールしているインドでは、スタートした7月からの3カ月間で1000万人の登録者を集めた。

一方、中国に2億3600万人のアクティブユーザーがいるWeChatは、メッシを起用した広告を15カ国で始めてから、海外での登録ユーザー数が急速に増えているという。WeChatによると、8月末時点の海外ユーザー数は約1億人と、5月から倍増。同社はアジアとラテンアメリカ地域での普及率アップに注力している。

しかし、各国・地域の先頭走者を追い抜くのは決して簡単なことではない。

例えば、LINEのスペインでのダウンロード数は、人気ドラマの俳優をCMに起用してからの5カ月で3倍に伸び、一時はユーザー数でWhatsAppを上回ったが、その後再び首位を奪われた。とはいえ、スマホユーザーの半数がLINEをダウンロードする人気で、2位の座は堅守している。

同社の森川亮社長は先月、ロイターとのインタビューで、すでにユーザーが慣れ親しんだサービスに勝つのは難しいとコメントした。

アプリ分析会社オナボ・インサイツによると、スタートから4年で最古参メッセージアプリの1つとなったWhatsAppは、メキシコ、イタリア、インドなどでのスマホユーザーへの浸透率は90%に達するという。

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