なぜヤフーは創業来初の減益になるのか 一時的な利益減を覚悟でネット通販に全力投球

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10月7日に無料化戦略を宣言する孫正義・ヤフー会長(ソフトバンク社長)

インターネット界随一の超高収益企業としての勢いは、まだ変わっていない。1025日、ヤフーは79月期(第2四半期)決算を発表。売上高は前年同期比21.5%増の975億円、営業利益は13.7%増の492億円、経常利益は11.7%増の491億円、純益は11.8%増の303億円と全項目で2桁成長を実現。宮坂体制になって以降、4四半期連続の2桁成長を記録した。

特に好調だったのが主力事業である広告。広告を中心とするマーケティングソリューション事業の売上高は672億円(前年同期比22.9%増)。課題だったスマートフォン向け等のモバイル広告も好調だ。

通期は1ケタの増益に

同時に通期の業績予想を発表。売上高は3871億円(12%増)、営業利益は1930億円(3.6%増)、最終利益は1209億円(5.2%増)と過去最高益を更新する見通しだが、利益成長は1ケタ成長に落ち込む。

下半期だけをみると売上高は1991億円(6.7%増)、営業利益は5.7%減の951億円、経常利益は6.4%減の953億円、純利益は7.1%減の583億円と減益に落ち込む。四半期ベースで対前年同期比減益になるのは、創業来初めてのことだという。

その理由はコマース事業(ネット通販)を強化するため、10月の請求分から「Yahoo!ショッピング」の出店料を無料化したためだ。無料化と同時に、ネット通販関連のプロモーション活動や、Yahoo!プレミアム会員向けのサービスの拡充の費用も増える。無料化とこうした費用増による今期の営業利益へのマイナスインパクトは、第3四半期で30億~50億円。下期6カ月ではその2倍の60億~100億円になる。

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