ドコモ上期は減収微増益に 「ツートップ」戦略で費用削減

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10月25日、NTTドコモは、2013年4―9月期の連結営業利益(米国会計基準)が前年同期比0.4%増の4731億円になったと発表した。都内で昨年5月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

[東京 25日 ロイター] - NTTドコモ<9437.T>が25日発表した2013年4─9月期の連結営業利益(米国会計基準)は、前年同期比0.4%増の4731億円だった。他社への顧客流出で端末販売が減り、売上高は減収となったものの、端末機種数を絞り込む販売戦略などでコストを削減した。

下期は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」効果で、端末販売も反転を目指す。

売上高は同0.4%減の2兆1989億円だった。販売する携帯電話を従来型の端末からスマートフォン(スマホ)に絞り込んだ上、積極的な価格競争を仕掛ける他社に契約者が流出。端末の販売台数が前年から11.5%減少した。

一方で、5月から特定のスマホ2機種を重点的に販売する手法、「ツートップ」を導入。1機種当たりの購入量を増やし、調達費や販促費を引き下げるなどのコスト削減を進めた。

ドコモは9月からアイフォーンの販売を始めた。これで大手携帯電話3社がすべて同端末を扱うことになり、会見した加藤薫社長は「料金施策、ネットワーク、サービスも含め、ドコモの良さをアピールできる本格的な時期が到来した」と語った。年間の端末販売目標は変更せず、上期の減少分を下期にばん回する考えを示した。

売れ筋モデルの「5s」は十分な在庫確保にもう少し時間がかかる見込みだが、今後はアイフォーンの取扱店を拡大する。現在は1500店弱でしか販売していないが、10月末までに全店舗に近い約2350店まで広げる。アイフォーンの発売以降、番号継続制(MNP)による契約者の流出入にはすでに改善がみられるという。

14年3月期の連結営業利益予想は前年比0.3%増の8400億円で据え置いた。他社との競争で契約者の獲得費用が膨らむものの、当初計画以上にコストを削減する。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト19人の予測平均8287億円をやや上回った。

合わせてドコモは、料理教室を手掛けるABCホールディングス(東京都千代田区)の株式51%を取得することを発表した。コンテンツ事業強化の一環で、料理教室の映像などを配信する。さらに14年7─9月期以降にグループを再編する方針も明らかにした。コンテンツ事業や法人営業といった強化分野に人員を振り向ける。

(久保信博;編集 田中志保)

*内容を追加して再送します。

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