自動車でもエコ、東京海上日動が保険に入ってマングローブ2本

今さらアル・ゴア前副大統領の「不都合な真実」を持ち出すまでもなく、地球温暖化問題への関心は全世界的に高まっている。日本でも企業・業界はさまざまな知恵を絞り、温暖化ガス排出量の削減や排出権取引への取り組みが活発だ。そんな中、東京海上日動も新たな温暖化ガス対策に乗り出した。

自動車保険で、契約や更新の際に発行する「約款(ご契約のしおり)」は1冊当たり約100グラム。つまり、1万人の契約者がいれば1トンの紙が使われる。そして通常、自動車保険は1年更新なので、1年で1トン、5年で5トン確実に紙は消費される。

だが、約款が1年で大きく変わることはまれである。また、更新のたびに隅から隅まで約款を読み込む消費者もそれこそ皆無だろう。そこで約款に使われる紙を節約しようとの試みが、今回の「自動車保険・超保険でeco!」だ。契約の際に、紙ではなくウェブ上で提供される約款を選択することで、まず紙量が削減できる。さらに冊子1冊に相当する金額で、マングローブの苗木約2本分の寄付を行う仕組みも作った。

東京海上日動の研究によれば、地域差・個体差等もあるが、マングローブ2本が生涯にわたって吸収する二酸化炭素の総量は「平均的な自動車が約1000キロメートル走行した場合のCO2排出量に相当する」という。同社は1999年にマングローブの植林プロジェクトを開始、2007年度までに5395ヘクタールの植林を行ってきた。今回の取り組みも、この植林事業の延長上にある。

ただ、ホームページ上でウェブ約款を用意しても、使い勝手が悪ければプロジェクト自体が画餅となりかねない。そのため「検索やリンク機能を工夫したり、動画を盛り込むなど、ウェブ特性を十分に生かした」と、個人商品業務部自動車第一グループの細島英一課長は苦心を語る。

現在、東京海上は抜本改革と称した業務改善に取り組んでおり、その一環として08年7月に自動車保険を刷新、約款も大幅改訂となった。このためマングローブの寄付が行われるのは、約款改訂が落ち着く09年7月契約分から。今年度はその事前予約の受け付けのみだが、来年以降は火災などほかの種目や法人契約への展開も視野に入る。自動車保険を契約することでエコ活動に参加。新しい流れとなるか……。

(生保・損保特集編集部)

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