メルセデスが新旧「Gクラス」を併売する理由 「発売39年で初」の全面刷新、何が変わったか

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新型Gクラスの車両価格は1562万円(税込み)~で、スポーツ仕様のAMGモデルは2035万円~。一般的な市民の手が届くような価格帯では到底なく、顧客は一部の富裕層らに限定される。

新型Gクラスの運転席。新技術を導入し、質感も向上させている(撮影:尾形文繁)

MBJによると、国内購入者の平均年齢は他車種が50代前半だが、Gクラスに限っては40代後半と比較的若い年代に支持されているのが特徴だ。東京や大阪など主に都市部に住む富裕層に愛されてきたが、医師や自営業者など従来の層に加えて、近年ではIT企業社長やスポーツ選手、芸能人など「若い成功者」にも人気が広がっているという。

超高級車市場の拡大が追い風に

国内の富裕層拡大に伴い、超高級車市場も厚みを増している。日本自動車輸入組合によると、車両本体価格1000万円以上の輸入乗用車の販売台数は2007年が1万3642台だった。2017年には2万0252台に増加し、輸入乗用車販売全体の6.6%を占める。

最大斜度45度の急勾配をものともしない新型Gクラス(撮影:尾形文繁)

スイス金融大手クレディ・スイスの調査報告書「2017年度グローバル・ウェルス・レポート」によると、100万ドル超の資産を保有する日本の富裕層は今後5年間で42%増加し、2022年には380万人に達するとも予想されている。

新型Gクラスの目標販売台数は非公表だが、MBJの上野金太郎社長は「旧型からの買い替えもあるが、SUV人気というトレンドもあるので、全然違うセグメントからのお客にも入ってきてほしい」と販売拡大への期待を口にする。

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