国内生保・大手9社トップインタビュー--業界再編の行方は?

国内生保・大手9社トップインタビュー--業界再編の行方は?

46社がひしめき合う国内生保市場。数年内にさらに2~3社増えるという観測もある。保険会社は相互会社という思い込みもあるが、第一が2010年の株式会社化を打ち出した現在、残された大手相互会社は日本、明治安田、住友、富国、朝日の5社のみ。少子高齢化が進み、競争が激化する中で再編の機運も高まる。国内生保大手9社の社長に未来を語ってもらった。

日本生命 岡本圀衞社長
統合でシナジーというけど逆行することも多いんですよ

 営業職員チャネル充実が最優先ではあるのですが、お客様からのアクセスを容易にするという意味で、ニューチャネルへの注力も一段と必要だと思っています。ただ、チャネルごとに得手、不得手があり、市場が変化して年金、医療分野が伸びているとはいえ、保険の原点は保障。そして保障のベースはコンサルです。

そのコンサルの中核となる営業職員の給与・評価体系を、昨年に新規契約中心から、既存契約の保全に軸を移しました。その成果は実を結びつつあると思います。契約内容の確認活動も2年目ですが、こうした施策も解約・失効率の改善や新規契約件数の伸びにもながっています。約1000万人の既契約者を守ることが、新規の契約にもつながっているわけです。現在、新統合システムを構築中ですが、これが軌道に乗れば、新商品の開発も早くなるでしょう。

生保業界がかつて安定していた時代は20社、それが今や46社。競争は激しくなっています。市場も変化し運用環境も厳しくなると、再編の可能性は否定できません。しかし、生命保険という商品は非常に長期にわたる契約なので、システム的にまとめるのはそう簡単ではない。ありうるとすれば持ち株会社の下での統合が考えられますが、その場合は株式会社しなければならないですよね。

そもそも当社の場合は、同じ生保との統合は考えられませんし、損保にしても他業態にしても、提携で十分だと思います。ニッセイ同和損保への出資は約37%ですが、今も十分に効果は出ています。当社は昔から、ほとんどの銀行や証券とお付き合いがある。どこか1社だけを選んでほかを排除するというのは、商売上もよくありません。囲い込みという発想なのでしょうが、囲い込みにそれだけ大きなメリットがあることを確信できればいいんですけどねぇ。統合でシナジーというけれど、実は事務レベルでみると、結構、逆行ることも多いんです。

かんぽ生命との提携は、事務インフラ・システム・商品開発の支援がメイン。日生グループ全体では、設計料や開発料といった形で対価を受け取っています。今後は保険商品の補完販売や保険の受再、ゆうちょ銀や郵便局会社への広がりとか、期待はあります。

海外へ目を向けると、米国では最近、資産運用会社への出資比率を引き上げましたが、いちばんの狙いは米国での運用強化です。またその親会社は米国でも有数の保険会社ですから、そのノウハウも魅力的。欧州も東欧も含め、まずは資本参加から始めるつもりです。アジアはのある市場ですが、まだ規模が小さく、変動も大きい。しばらくは様子をみないと。しかし、この米欧亜という3極はしっかり押さえていきます。

5年後、10年後という先を見据えると、国の社会保障制度や税制、人口構成がどう変わっていくか、気になりますが、個人保険だけでなく、企業保険もまだ伸びるし、重要なマーケットです。どの分野でも「サービスナンバーワン」を目指していきます。

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