なぜデジタルカメラ業界は激変しているのか ニコン、キヤノンを揺るがすミラーレスの技術革新(上)

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ソニーのフラッグシップ機となる「α7R」

その端的な例がソニーが10月16日に発表した「α7」だ。

α7は35ミリフィルムと同サイズの有効約2430万画素CMOSセンサー(いわゆる”フルサイズ”の大型撮像素子)を採用しており、そこには117の位相差検出用センサーが埋め込まれている。これにより、ノンレフレックスカメラながら一眼レフと遜色ない撮影感を実現している。

一眼レフカメラが持つ光学式ファインダーの良さは変わらないが、様々な面で不利を克服する技術開発が行われ、それが一気に商品の力として吹き出してきているのが、今年のカメラ市場と言える。

踏みこみが甘い2強

レンズ交換式カメラでは、その豊富なレンズ資産を背景に、キヤノンとニコンが2強を形成している。しかし、一方でこの2社はノンレフレックス方式カメラで苦戦を強いられている。既存規格での優位性が、新規格への踏み込みを甘くしている面は否めない。

今年、ノンレフレックス方式カメラが、一段の進化を遂げた背景には、踏み込みの甘い2強への対抗策を各社が進めたことによる。カメラ業界は大きな転換期を迎えつつあることは間違いない。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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