あいおい損保、社内にある保育園でぎりぎりまで子どもと一緒

東京都練馬区にある光が丘駅から徒歩10分。団地街を抜けると1棟のオフィスビルが現れる。エレベーターで2階に上がると、扉の向こうから子どもたちの声が響いてきた。ここはあいおい損保の社内託児所「あいおいキッズくらぶ」だ。国内損保で社内託児所を設置したのはここが初めて。ビルの6階には同社のコールセンターが入居しており、その従業員が利用している。

「構想は2~3年前からあった」

こう打ち明けるのは、あいおい損保のカスタマーサービスセンター部の仁木正道部長だ。こだわったのは同じビル内にあること。安全面から譲れない条件だった。「部屋が空くのを待つのに時間がかかった」(仁木氏)という。キッズクラブの開所は2008年4月。定員28人で、料金は公立保育園の利用料金の平均値を採用した。しかし、採算ベースにはとても届かない。

コールセンター業務は“経験”がものをいう仕事。オペレーターの定着率は“品質”に直結する。女性比率が高い職場で従業員を引き留めるには、コストがかかっても託児所を開設するのが有効だと判断した。

「託児所があるからここに決めた」と関美江子さん。1歳8カ月の男の子のママだ。練馬区内に住む専業主婦だったが、子どもに手がかからなくなってきたこともあり、働き口を探していた。ちょうどそのとき、同社の求人と託児所開設の折り込みチラシが目に飛び込んだ。4月の託児所開設と同時に働き始めた。「熱があるなどと連絡がきても、すぐ迎えに行ける」と、関さんも満足げだ。

キッズくらぶには退職者を呼び戻す力もある。佐藤栄吉さんは以前、このコールセンターで働いていた。第1子が生まれたとき、共働きの妻を支えるため夜勤の仕事に移った。だが、元同僚から託児所設置の話を聞きつけ、「子育てに困らないなら、慣れた職場に戻りたい」(佐藤さん)と、古巣に復帰することを決意。ちょうど下の子が生まれた直後のタイミングだった。上の子は公立保育園に通わせることができたが、「料金はキッズクラブのほうが高いけど、スタッフの対応は断然いい」と、佐藤さんは太鼓判を押す。

ただ、普通の保育園と違い、親が出社していないと子どもを預かれないという制約もある。企業内保育園が抱える課題もまだ多い。

(生保・損保特集編集部)

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