仕事のミスが許されない人と許される人の差 顧客の信頼を得るための5つのテクニック

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営業に大切なこととは(写真:franckreporter / iStock)
営業、交渉力などの研修講師として5000人以上を指導してきた大岩俊之氏による連載「すぐに使える営業の心理学」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

営業マンの皆さんは、日々お客さまのことを第一に考え、お客さまのご要望を叶えるためにベストを尽くしていることと思います。いつも笑顔を絶やさず、お客さまから呼び出しがかかればフットワークよく駆けつける、一にも二にもコミュニケーションが大切――そんな営業スタイルを標榜(ひょうぼう)している方も多いことでしょう。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

そうした高い「コミュ力」はお客さまを安心させる要素ではありますが、それがすべてではありません。そこで今回は、人当たりのよさや言葉巧みなトーク術を持ちながらも、結果的にお客さまの信頼を損なってしまうありがちなケースを、「寛大効果」と呼ばれる心理学用語を交えてお話ししたいと思います。

人当たりのよさ以上に大事なこと

まず、「寛大効果」とはどういう意味でしょうか。

短く説明すると、「他者が自分を見るとき、相手にとって望ましい側面はより強調され、望ましくない側面は寛大に評価されやすい」ということです。わかりやすく言えば、「お客さまから本当の意味で信頼されている営業マンは、納品ミスやスケジュール管理ミスといった何らかの過失が起こったとしても、お客さまに寛大に対応される」ことです。すなわち大目にみてもらえる、ということですね。

この「寛大効果」について、私が以前勤めていた会社にいた、対照的な2人の営業マンを例に具体的に説明していきましょう。

1人目は、他の地域から転勤してきたばかりのAさんです。営業活動は大の得意で、明るく人当たりがいいため、お客さまから「本当に気さくでいい人だよね」と人気がありました。客先にも足繁く通うために顔が広く、目立った失敗もありません。

ただ、Aさんには決定的に欠けている部分がありました。それは、お客さまとの約束の期日に回答が遅れてしまったり、見積り依頼にも少し時間がかかってしまったりすることでした。フットワークのよさにも定評があり、急ぎ呼ばれても駆けつけることを厭(いと)わないAさんですが、それだけに時間の管理がままならず、期日回答がたびたび遅れてしまうのです。

前任者からそれなりに売上のある会社を数社引き継いだのですが、小さな案件は受注できるものの、なぜか大きな案件は受注できません。その結果、少しずつ売上が下がってきてしまいました。

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