どう対処すればいい? 子どものケータイ問題


 高機能端末がそろう携帯先進国、日本。パソコンや携帯を通じたインターネットは重要な社会インフラだが、迷惑メールや不正アクセスなど問題も山積み。特に子どもの携帯保持率が高まるにつれ、出会い系をはじめとする有害サイト被害、“2ちゃんねる中高生版”ともいえる学校裏サイトでの誹謗中傷やいじめなど問題が先鋭化している。

『学校裏サイト』著者で群馬大学特任教授、NPO青少年メディア研究協会理事長の下田博次氏は、携帯を「子育て上やっかいな道具」と言う。普通なら接点もない危険なサイトや人物とダイレクトにつながるし、どんな友達と付き合っているのかすぐにはわからない。親の頭越しで行われるからだ。だが「自分の子どもがトラブルにかかわれば別だが、一般に親の危機意識は低い。携帯やコンテンツ会社が何とかしてくれると思っているのではないか」(下田氏)。

子どもが携帯を持つのは、小学高学年での塾通い、中学進学が大きなきっかけだ。「学校への持ち込みを禁止し、保護者にもなるべく持たせないようにと話している」(都内中学校教諭)が、多くの中高生が夜間に利用、「携帯で知り合った中学生が広域暴力団とつながっていた」「学校裏サイトでいじめに遭った子が警察に訴え、クラスメートが停学処分に」といった話につながっていく。


子どもは情報発信による影響力がわかっていない

では親はどうしたらいいのか。下田氏は「携帯インターネットのリスクを学び、他者を傷つけないよう、また自分も被害に遭わないよう教えるべき」と言う。青少年メディア研究協会では注意、見守り、指導を行うペアレンタル・コントロールが重要と、自治体と連携した講習やシステム構築に取り組んでいる。

NTTドコモのモバイル社会研究所主任研究員で「子どもとケータイ」問題に詳しい遊橋裕泰氏は、「子どもは狭い世界で生きているので自分の発信がどんな影響を持つのかわかっていない。責任を認識させ、変な発信は加害者になりかねないことにも注意しないと」と指摘する。

携帯各社は2009年1月以降有害サイト閲覧を制限する携帯フィルタリングを既存顧客にも適用し、関連企業やPTAなどが「安心ネットづくり」促進協議会を設立するなど業界も動いてはいる。しかし「フィルタリングは万能ではない。どんな情報がいいか悪いか、親や先生が決めずに業界が決めるのでは理想的なものはできない」と下田氏が批判するように、業界任せで済む話でない。

学校裏サイトは大人が小遣い稼ぎで仕掛けているものもあるという。あの手この手を使う悪意の大人は後を絶たないだけに、子どもが直面するリスクはなくならない。多くの子どもが問題なく使っているとはいえ、携帯を持たせる以上、リスクと付き合う覚悟が親には必要だ。


(週刊東洋経済 撮影:今祥雄)
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