米超党派委員会、難しい課題に直面

財政協議で合意は成立したが……

10月16日、米財政協議で合意が成立し、長期的な財政赤字削減策をまとめる上下両院の超党派委員会が設置されることに。だが、この委員会は極めて難しい責務を担うとの指摘もある。写真はグレゴリー・ミークス議員(民主、ニューヨーク州)。ワシントンで9月撮影(2013年 ロイター/Larry Downing)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米財政協議で合意が成立し、長期的な財政赤字削減策をまとめる上下両院の超党派委員会が設置されることになった。

だがこの委員会は極めて難しい責務を担うとの指摘もあり、調整が失敗した場合は再び国庫の資金が枯渇する恐れが生じ、再度の政府機関閉鎖を回避するため攻防が繰り広げられることも考えられる。

期限直前で結ばれた合意は、税や歳出をめぐる民主党と共和党の溝を埋めるものではなかった。代わりに出されたのは、財政赤字の削減方法や歳出の強制削減への対応策に関する決定をこの超党派委員会に任せるという結論だ。

数日以内に上下両院の民主党・共和党の議員団が作業に取りかかる見通しで、12月13日までに削減策に関する意見を取りまとめる必要がある。

こうした委員会はこれまでにも設立されたが、成果はあまりなかった経緯がある。今回がこれまでとどう違うのかを見分けるのは難しいというのが議会の多くの意見だ。

グレゴリー・ミークス議員(民主、ニューヨーク州)は「時間が経てば分かる。今回は違うと言えるのか、良くわからない」と述べた。

同議員は、2週間に及んだ政府機関閉鎖で、共和党支持率が低下し、民主党に対する心象も悪化したため、議員がより柔軟になったと指摘した。

超党派委員会は17日朝から非公式に交渉を開始する予定。共和党のライアン下院予算委員長、民主党のパティ・マリー上院予算委員長が朝食会を開くことになっており、記者会見も行われる。

ジョン・ラーソン議員(民主、コネティカット州)は「数週間先ではないとしても、数カ月以内にまたこういう事態が起こると分かっているため、懸念は根強い」と述べた。

<深い溝>

財政赤字のさらなる削減で与野党が合意したものの、予算をめぐる双方の立場は譲歩の余地がなく、溝を埋めることは困難だ。

メディケア(高齢者向け公的医療保険)や公的年金といった社会保障関連の予算削減を実施するべきだとの共和党の主張に対し、リベラルな立場を取る民主党議員が強く反発。富裕層の増税を優先させたい考えだ。

下院歳入委員会の民主党トップであるサンダー・レビン議員は、社会保障費の削減と引き換えに、新たな税収のようなものが盛り込まれる妥協案が必要だとの見方を示した。ロイターに対し、「バランスを取ることを主張する」と述べ、「社会保障制度のことを協議するなら、歳入についても話し合う必要がある」としている。

<オバマケアめぐる攻防復活か>

オバマケア(医療保険改革)への予算削減や実施の延期を主張してきた一部の共和党保守派は、議論を復活させることを狙っている。

トム・グレイブス議員(ジョージア州)は「国民の注目が政治から移ってオバマケアの欠点が浮き彫りになれば、民主党は施行延期を求めたわれわれの提案を再検討せざるを得なくなる」と指摘した。

下院での交渉担当者の一部は、党派色の濃い意見を打ち出すことが見込まれる顔ぶれで、調整の難航が予想される。

共和党側は社会保障費の大幅削減を主張するライアン氏を筆頭に、保守色の強いトム・プライス議員、より穏健なトム・コール議員、ダイアン・ブラック議員が名を連ねる。

ライアン氏は2011年に設置された超党派委員会には加わっていなかった。

民主党側メンバーは2011年の超党派特別委員会にも加わっており、社会保障関連費の削減に強く反発していたジェームス・クリバーン氏、下院予算委員会で民主党トップを務めるクリス・バン・ホーレン議員、下院歳出委員会の民主党トップ、ニタ・ローウィ議員となっている。

(David Lawder記者;翻訳 青山敦子;編集 宮崎亜巳)

*見出しを変えて再送します。

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