リスクが嫌いな人こそイデコに入るべき理由 定期預金だけの運用は、結構「損」をしている

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さて、遅くなりましたが、なぜiDeCoではあえて「元本確保型」というのか、ご説明しましょう。上記の6つの運営管理機関のように、iDeCoで設定される元本確保型商品は、預金または保険、あるいは両方です。このうち預金はいわゆる一般的な定期預金なのですが、掛金拠出時に「毎回異なる定期預金を作る」ところがちょっと違う点です。

たとえば4月に積み立てた2万円は4月スタートの1年定期、5月の2万円は5月スタートの1年定期という形で、毎月新しい定期預金を始めることとなります。もちろん毎月定期預金金利も見直しされますから満期も金利も異なる定期預金が掛金を拠出するたびに作られます。年払いにすると、1年に1回定期預金を作ることになりますから、それほど混乱はないかと思いますが、毎月スタートが異なる定期預金は、いずれはひとつの定期預金にまとめたいなどといった場合に少し注意が必要です。

ご存じのように、定期預金を満期日前に解約すると解約控除率が適用となります。仮に1年定期を満期まで半年未満を残して解約するとその銀行の普通預金金利となったり、満期の半年以上前に解約すると約定金利の半分になってしまったりします。つまり最初に予定した利息より実際受け取る利息が少なくなるのです。とはいえ預金ですから、元本が割れることはありません。

保険の場合は「満期日までの保有」が条件に

一方、保険の場合、満期日前に解約をすると解約控除(解約ペナルティ)が発生して、時に元本を割ってしまうこともありえます。もちろん満期日まで保有すれば、元本が割れることはないのですが、満期日前解約時点の元本は保証されていないのです。満期日まで保有することを条件として「元本確保」できる、これが元本保証ではなく元本確保型と呼ばれる所以です。

ちなみにiDeCoは原則60歳まで資金の引き出しができません。これはiDeCo口座からおカネを引き出せないという意味です。ですからいくつかの金融商品があるので、同じ口座の中で、「A預金が満期になったら解約してB預金に預け替えをする」、あるいは「C投資信託を購入する」というふうに、口座内で金融商品の入れ替えをすることは何度でも可能です。また希望をすれば最長70歳までおカネを運用できます。もちろん運用期間に発生した利息、あるいは運用益に税金はかかりません。

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