「鉱山開発」こそが超有望な北朝鮮ビジネスだ 300兆円規模の埋蔵量を誇る宝の山に期待大

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南北首脳会談を乗り切った金正恩朝鮮労働党委員長。経済再建に向けて豊富な地下資源は金脈となるか(写真:ロイター)

南北経済協力はこれまで、つねに慎重の上にも慎重を期して行われてきた。しかし、北朝鮮が4月11日に経済繁栄を国政の最優先順位の1つとして発表、南北首脳会談に続いて米朝首脳会談も予定されている。今後北朝鮮が言う経済に関心が高まりそうだ。

北朝鮮で開発可能な地下資源は約2億トン

この条件に最も適合するのが、北朝鮮にある、地下資源の共同開発だ。共同開発が始まれば、これまでの経済協力のパラダイムを変えることになりうる。北朝鮮は、豊富な地下資源を保有しているが、技術がない。一方の韓国は大部分の地下資源を輸入しているものの、世界的な技術を蓄積してきたため、双方の利害が一致するためだ。何よりも地下資源は経済的規模がこれまでの経済協力とは比較できないほど大きい。そのため、北朝鮮の経済発展に大きな力を与えると同時に、韓国政府は経済的支援なしでも南北経済協力事業を推進できる。

当記事は韓国の経済誌「中央日報エコノミスト」掲載記事の日本語訳です

業界では、開発が可能な北朝鮮の地下資源が2億1600万トンであり、金額にして3000兆ウォン規模だと試算している。

ここに設備投資や加工で発生する付加価値や運送経費の節減効果まで合わせると、規模はさらに拡大する。韓国鉱物資源公社南北資源協力室の関係者は「南北の資源共同開発は2007年の南北首脳会談で合意済みであり、現地調査や合弁企業による共同開発などの経済協力も経験済みだ。北朝鮮への経済制裁が緩和されれば、すぐにもで再開できる」と言う。韓国エネルギー経済研究院関係者も「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が北朝鮮と合意した経済協力事業が再開されれば、地下資源の開発へと段階を踏んで進められるだろう。

北朝鮮への経済制裁という問題は、南北間の問題というよりは米朝間の問題。今後の米朝首脳会談で解決策が出てくる」と期待している。

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