リニア時代に新幹線と在来線はどう変わる? JR東海の金子新社長にインタビューで迫る

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――在来線のネットワークはどのように運営していく?

名古屋と高山方面を結ぶJR東海の特急「ワイドビューひだ」。訪日外国人客の利用も多い(写真:レックス9/PIXTA)

在来線の経営課題としていちばん重要だと考えているのは事故防止、そして災害防止だ。ローカル線は残念ながらご利用が少なくなっているが、鉄道事業者として安全に関し妥協はできない。おカネも設備も仕組みも人もしっかりやっていく。できるだけ効率的な路線をいかしていく。一方で、岐阜県の高山では訪日客が増え、利用者数がいい感じで回復しつつある。そろそろ車両の更新時期を迎えるので、いい車両を造って利用者を増やせればいいと考えている。

事故を起こさないよう力をつけていく

――技術伝承面で課題はあるか。

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安全第一とつねに言い続けて、安全に対する意識はそうとう強くなってきたと思うが、昨年は架線が切れたり、機械室の電源が故障したりするなど、めったに起きない故障が起きて、お客様に迷惑をかけた。台車枠のトラブルにしても、メーカーに問題があったわけだが、まさかあんなことが起きるとは思っていなかった。事故を起こさないためにいろいろな形で力をつけていくのが今年の課題だと考えている。

――社長に就任して「金子色」をどう出していく?

これまで6年間副社長を務め、その前は4年間、総合企画本部長を務めてきた。前任の柘植(康英氏)、山田(佳臣氏)、松本(正之氏)の補佐をして、同じことを考えてきた。これからやっていく施策はこれまでと同じだ。私一人で仕事をするわけではない。社員一人ひとりが力を出すことで、会社が前進する。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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