ツイッタービジネスは、どう進化するのか? モバイル化、テレビとの融合、そして、リアルタイム

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テレビなど他メディアとの連携

ツイッターの情報は、1つずつのコンテンツは小さいながら、十分意味を持って流通している。「誰が」「何を」「いつ」「どこで」投稿したのか、という情報が含まれており、ハッシュタグによる話題の分類や画像、動画、リンクなどの情報をツイートに付加することができる。そして、これらは投稿にしても、閲覧にしても、スマートフォンの1画面に収まる相性の良さがある。

同時に、他のメディアと合わせて利用する手法は、ツイッターにとって、広告以上に有望な収益手段になる可能性がある。

2013年1月に、ツイッターでカレン・ウィカー氏にインタビューした。ウィカー氏は、9年間をグーグルで過ごし、社内の情報発信のブログネットワークの組織を指揮してきた人物で、現在はツイッターのエディトリアル・ディレクターを務めている。

ツイッターでエディトリアル・ディレクターを務めるカレン・ウィカー氏

同氏はツイッターについて、「リアルタイム・インフラだ」と指摘している。リアルな現場も含めて情報が発生した瞬間に、人々にそのことを届けられる唯一の仕組みになろうとしている。そのためツイッターは、新聞社やテレビ局などの各種報道機関がツイッターを有効活用できるように、支援する活動を行っているという。

また10月10日には米国でテレビとのこれまで以上に深い提携を発表している。米国ケーブルテレビ会社大手のコムキャストとツイッターが連携し、コムキャストを通じてテレビを見ているユーザーは、番組に関連するアカウントに表示される「See It」ボタンを押すと、その番組をテレビやモバイル端末を通じて視聴でき、録画予約ができるようになる。いわば、ツイッターから送られてきた情報が、テレビのリモコンのような役割を果たすようになるのだ。

テレビのチャンネルが自動的に切り替わらなくても、テレビなどのメディアやそこに出稿する広告主にとって、どんなユーザーが自分たちのコンテンツや情報に興味があるのかを知るには充分だ。本項を執筆している最中も、ツイッターには #f1jp 、つまり鈴鹿サーキットで行われているF1日本グランプリの情報が飛び交っている。

鈴鹿サーキットの公式アカウントが刻々と情報を発信し、現地で観戦する人やテレビを通じて観戦する人も #f1jp の短いハッシュタグに集まっている。F1ファンが何を見て、何を発言しているのかがリアルタイムに理解できることは、これまで視聴率や市場調査というワンテンポ遅れたデータを元に分析し施策をとってきた広告主にとって願ってもないデータだ。

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