できたて弁当参入か? セブンの実験明らかに

できたて弁当参入か? セブンの実験明らかに

健康志向の高まりを受け、コンビニ弁当が苦戦中。本家・セブンにまで実験の動きが広がってきた。(『週刊東洋経済』7月21日号より)

 コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンが、できたて弁当の実験を行っていることが、本誌の取材で明らかになった。

「できたての唐揚げ弁当はいかがですか」。東京・世田谷区にあるセブン‐イレブン。昼時になると店内に掛け声が響く。設置されたフライヤー(揚げ物用調理器)で唐揚げを揚げ、できたてのご飯を詰める。セブンが店内調理の弁当を販売するのは初の試みだ。
 
 まだ世田谷の1店舗だけの実験で、品目も唐揚げ弁当のみ。セブンはカウンターで販売するファストフードを強化するため、8月末までに300店へフライヤーを新規導入する計画。今回はその有効活用という側面もある。ただ、昼夜ピーク時に1日50~60個限定の販売ながら、同店の弁当の中で最大の販売数を誇るヒットとなっており、今後の販売動向によっては他店に広がる可能性がある。

収益柱の弁当が苦戦

 背景には主力商品である弁当の伸び悩みがある。セブンの総菜を含めた中食の売り上げ構成比は約3割に上るが、採算が高いため利益面での貢献はそれ以上。今期に入っても既存店売り上げは前年割れが続いているが、弁当の苦戦がその一因だ。

 これまでもセブンは弁当から保存料と合成着色料を全廃するなど、消費者の健康志向に対応してきた。だが、コンビニ弁当にはどうしてもマイナスのイメージがつきまとう。セブンが消費者に行ったアンケートでも、コンビニ弁当に対して「安全」「栄養バランス」「作りたて」という三つを望む声が多かった。できたて弁当の実験は、そのニーズを取り込む狙いがある。

 実はセブン以外でも、できたて弁当に取り組むコンビニは多い。デイリーヤマザキでは、パンや弁当などを店内調理する「デイリーホット」をすでに約340店で展開中。ミニストップもグループのオリジン東秀と連携した新業態を開始した。業界2位のローソンも、一部店舗で店内調理を実験済みだ。

 ただ一方でスタッフの作業負担や厨房スペースの確保など、店内調理にはクリアすべき課題が多い。それがこれまでセブンが実験に慎重だった理由だろう。その本家にまで実験が広がったことは、コンビニの深い悩みを象徴しているともいえそうだ。

(書き手:並木厚憲 撮影:今井康一)

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