金委員長「列車訪中」に込められた歴史的意味 外交的な優位性を持っていることの象徴だ

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北京の駅に停車中の特別列車。「DF11z-0002A」の文字がみえる(写真:ロイター)

北朝鮮の最高指導者である金正恩・朝鮮労働党委員長を乗せて3月26日に中国・北京に到着した特別列車は、2010年に故・金正日総書記が訪中の際に使った列車とは違うものであることが確認された。

今回の列車は、金正恩政権になってから新たに製造された車両である可能性が高い。

父・金正日が利用した列車と同じではない

今回、北朝鮮の最高指導者が特別列車を利用して北京を訪問。中朝間の「列車外交」が再開された。

当記事は「ソウル新聞」掲載記事の日本語訳です(一部、理解を助けるための加筆をしています)

3月26日に北京駅に到着した北朝鮮の列車は、かつて金正日総書記が利用した「1号列車」と外形はほぼ似ている。列車の前方に赤い番号プレートが付けられ、グリーンを基調とした客車の横にイエローのラインが入っている。このため、金正日総書記が2000と2001、2011年に中国とロシアを訪問したときに利用された列車ではないかと推測されていた。

しかし、今回の列車の正面に取り付けられた固有番号は、金総書記の列車番号だった「DF11z-0001A」ではなく「DF11z-0002A」だ。特に列車前方の側面に列車の速度を意味する文字が漢字で示されていることから、中国から金党委員長に提供された列車の可能性もある。

金総書記の列車には、漢字ではなくハングルが記されていた。現在、その車両は金総書記の遺体が眠る平壌の錦繍山宮殿内に展示されている。

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