「1秒」をバカにすると損するワケ ここぞという時に力を発揮したい人へ

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そんな小山氏は、学びなおすことで多様な視点を得る重要性を指摘する。「私はビジネススクールを出てMBA(経営学修士)を取っているのですが、今年MFA(美術学修士)も取得しました。あらゆるものをビジネス的な観点と芸術的な観点の両面から見ることができるようになりました。複数の専門領域を持つことで、ある1秒を2倍豊かに過ごせるのです。たとえば、新規事業立ち上げのお手伝いをしていますが、これはビジネスの領域であると同時に、新しいものを世に問うアート的な営みでもある。同じ仕事でも、ビジネスとアートの二つの側面から楽しんで、濃密に時を過ごす。こうした二領域をまたぐような生き方が、人生を豊かに過ごすカギになってくると思います」。

1秒の価値や重みは同じではない

このように、アプローチの仕方によって価値や重みが変わってくる1秒がある。中には”得がたい価値を持つ1秒”も存在する。

「アイデアって、たとえ10時間考えても出ない時は出ないですし、逆に出る時は瞬間的に思いつきますよね。まさにパッと電球がつくように。相対性理論を着想したその1秒は、科学を何十年も進歩させる価値があったわけです。そして今後は、人間の仕事がロボットやAIに取って代わられる中で、機械には生み出せないひらめきや着想が重要度を増していきます。着想を生み出すためには、1秒の過ごし方が重要になります。たとえばオフィスにいる時より、電車の中や、公園を歩いている時、家族と過ごす時間などでパッとひらめいたりしますよね。これからは1秒の効率性ではなく、着想を生むような1秒の濃密さが求められてくると思います」

一方で、過去から積み重ねられた時間が凝縮された1秒というのもある。小山氏が体験した能の演目が、まさしくそれだった。

「私は6年ほど前から能を習っているのですが、たとえば3年前に演能させていただいた『土蜘』という演目は、室町時代末期に作られたと言われます。何百年にもわたって脈々と演じ続けられてきました。その動きや展開の中には、何百年分の蓄積が凝縮されている。だからこれを演じるというのは、ほんの一瞬であっても、過去の蓄積を受けた豊かな1秒なのです。伝統芸能を学ぶことで、そうした歴史に裏付けされた豊かさを味わっています」

「1秒」の価値とは、そこにどんな意味を見いだすかによって大きく変わる。言うなれば、同じ1秒でも”まとっている時間”はまったく違うのだ。たかが1秒などとバカにせずに、その価値について考えてみるとまた違った生き方が見えてくるのではないだろうか。

シチズン、究極の精度「年差±1.0秒」のムーブメント発表

BASELWORLD 2018で発表された「Cal.0100」のポケットウォッチ型コンセプトモデル(参考出品)

今年、創業100周年を迎えるシチズン時計は、毎年スイスで開催される時計の見本市「BASEL WORLD 2018」において、究極の精度「年差±1.0秒」を持つ光発電エコ・ドライブ ムーブメント「Cal.0100」を発表した。

これまでもシチズンは、「時間とは何か」を自らに問い続け、人それぞれに異なる1秒、1秒という時間の大切さに向き合ってきた。だからこそ、時間を伝える時計は正確でなければならないと、いつの時代も精度の追求に大きな使命感を持って取り組んできた。光さえあれば動き続けるこの「完全自律型」の高精度ムーブメントは、こうした姿勢を示す一つの証左と言えるのではないだろうか。

「”Better Starts Now”どんな時であろうと”今”をスタートだと考えて行動するかぎり、私たちは絶えずなにかをより良くしていけるのだ」。こんなフィロソフィーを持つシチズンだから、この「Cal.0100」から、また新たな可能性を切り拓いていくに違いない。

>>シチズン時計 BASELWORLD 2018スペシャルサイトへ

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