女子大生のカワイイ「BONSAI」が人気のワケ 香川の盆栽ガールズたちが広める

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当時のアンケートで出てきた盆栽の三大イメージは「高齢者」「お金持ち」「男性の趣味」。古川教授は「これらのイメージと裏側のコンセプト、『若い』『女子大生』でいけばおもしろい情報発信ができるかもしれない」と考えたという。

盆栽ガールズは当初、4人で結成したが、活動を続けるうちに学内でも認知度が上がり、2018年2月現在、25人が参加している。メンバーのほとんどが、プロジェクトに参加するまで盆栽のことをまったく知らなかったという。

高松市内の盆栽職人のもとへ定期的に通い、盆栽の知識や技術を学ぶ(写真:「Bonsai☆Girls Project」のフェイスブックより)

現在の主な活動は、SNSなどでの情報発信と、地域のイベントなどで行う盆栽のワークショップだ。盆栽の知識や技術を学ぼうと、学生たちは月に1、2回、高松市内の盆栽職人の元に通う。職人の指導で「こけ玉」(松の根を土で球状に覆い、こけを糸で巻き付けたもの)や「盆景」(盆の上に石や砂などを配して自然の景色を表現したもの)づくりに挑戦している。

メンバーが丹精した盆栽の数々(写真:Bonsai☆Girls Project)

完成させた「マイ盆栽」は、フェイスブックやインスタグラムに投稿。タイムラインを見ると、それぞれの感性を生かした「カワイイ」盆栽の数々が出てくる。フェイスブックのフォロワーは約1700、インスタグラムは約6000。海外のフォロワーも多く、コメント欄には英語のコメントが並ぶ。学生たちは、絵文字も駆使して、一つ一つのコメントに返信する。

学生たちがプロジェクトに参加した理由はさまざまだが、初めから「盆栽が好き」で参加するメンバーはいないという。岡山県出身の首藤さんは「大学生が盆栽をやるんだ」という新鮮な驚きから参加を決めた。「母からは『大学デビューの方法を間違えたんじゃ』と言われました」と苦笑する。

古川教授が明かした結成当時の秘話とは?

愛媛県出身のメンバーで経済学部2年の十亀稔理(そがめ・みのり)さん(20)は「せっかく4年間を過ごすのだから、香川を好きになりたい」と考えていた。伝統的なものや芸術は好きだったが、それまで盆栽に興味はなかったという。

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