「各停だけ・接続なし」で利用者が多い駅は? 急行停車駅を上回る乗降客数の駅もある

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ちなみに、ターミナル駅近くに各停のみの駅が連続するという点では、西武新宿線も高田馬場―鷺ノ宮間の6駅が各停のみだが、同線はJR中央線と近く、駅勢圏が狭い。その点で板橋区内から広く利用者を集める東上線とは、地域性による違いが出ていると思われる。

さあ、第1位は東武伊勢崎線竹ノ塚駅の7万2287人である。2位の東武練馬を大きく引き離し、断トツの勝利と言える。同線始発駅の浅草(4万9362人)を大きく上回り、特急も止まる東武鉄道の主要拠点、春日部(7万2879人)に迫る勢いだ。

同駅は都区内の北側、足立区北部の拠点駅。この付近は2005年につくばエクスプレス、2008年に舎人ライナーが開業するまでは、事実上鉄道が東武伊勢崎線しかなかった。同駅には周辺地域からのバス路線が多数乗り入れているほか、自転車の乗り入れ台数も7000台を超える。これは千代田区主要16駅の合計5129台を、一駅だけで軽く上回る多さだ。また一日の全列車203本のうち、45本が当駅始発である。利用客にとってはうれしいところだ。

東武線は地域の貴重な足だ

東武伊勢崎線の竹ノ塚─新越谷間では、このほかにも竹ノ塚の隣の谷塚が24位、急行停車駅の草加を挟んで獨協大学前が3位、新田が36位(蒲生は98位)と、急行通過駅でも利用者数が多い駅が目立つ。

先に述べたように、かつて足立区北部は東武伊勢崎線がほぼ唯一の鉄道だった。その先の草加市も、人口約24万人を数えるものの、市内を走る鉄道は現在でも同線のみだ。つまり都心に比較的近く便利なものの、鉄道網に恵まれているとは言いがたかった地域である。優等列車の停車駅でなくても利用者が多いのは、この周辺の住民にとって、それだけ東武伊勢崎線が重要な足であるということの表れだろう。

ちなみに最下位と言ったら失礼だが、関東の大手私鉄で1日の平均乗降客数が最も少なかったのは東武佐野線の田島駅で125人。浅草からは2時間弱。たとえばぽっかりと時間の空いた休日、特に用事もないのに出掛けていき、125人の乗客の一人になってみるのも、鉄道の楽しみ方のひとつかもしれない。

ちなみに、鉄道各社が発表している1日の平均乗降客数は、たとえば「東武鉄道 乗客数」などと検索すればヒットする。私鉄に限らずJR各社も各駅の乗車人員を公表している。今回は各停のみ停車の駅の乗降客数をランキング形式でご紹介したが、自分の利用する駅の乗降客数を調べてみるのも一興かと思う。

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