超厄介な2~3歳児にイライラしない人の心得 「イヤイヤ期」にはちゃんと意味がある

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想像してみてください。これほど大変な苦労をしてようやく慣れ親しんだ環境なのに、そうと知らない誰かにふいに椅子の位置を動かされてしまったら。子どもがかんしゃくを起こす気持ちもわからないではない――そう思いませんか。

この時期の子どもは、物事を行う順番ややり方がいつもと違うと烈火のごとく怒ったり、いつもの場所に決まったものがないと不安になったり、物をきっちり同じ方向にそろえたがったりします。自分の持ち物だけでなく、「ママがいつもと違うジャケットを着ている」のが気に入らない場合もあります。

「いつもと同じ」で落ち着いた子が育つ

どれもこれも大人にとっては「なぜそんなことが気になるのか」と思うような些細なことばかりですが、子どもにとっては大問題なのです。

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子どもが安心するのは、いつも同じ結果になるとわかっている遊びや、いつもと同じ道を通って学校に通うことや、同じ手順で出かける準備をすることです。

子どものこだわりにすべてつきあっている時間はない、というのが正直なところかもしれませんが、この時期の子どもの特性として理解しておくと、子どもと感情のすれ違いが生じたり、こちらがイライラしたりすることが減るかもしれません。

「秩序の敏感期」の期間はそれほど長くありません。せいぜい1年、長くても1年半くらい。この時期に内面の秩序感がしっかり育てば、精神的にとても落ち着いた子どもになるのです。

堀田 はるな モンテッソーリ教師、保育士

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ほった はるな / Haruna Hotta

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員。北海道出身。アパレル業界を経て、2001年にアマゾンジャパンに入社。オンラインマーケティング業務に従事。2009年にマネックスFX入社、マーケティング企画やPRを担当。結婚を機に、教育の道へ転身。2016年、NPO法人東京モンテッソーリ教育研究所付属教員養成コース卒業、日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。

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