ソニーが掘り当てたエレキのサバイバル術 SONY再起動へ。打倒アップル・サムスンへの曙光(上)

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今年年末に投入するXperia Z1には、デジタルイメージングの開発チームから「カメラ開発の一個師団をスマートフォン部隊に送り込んだ」(平井社長)と言うように、専用開発のCMOSセンサーから映像処理技術、レンズ、機能開発に至るまで、カメラ事業を本職とするチームが担った。

このようなソニーに内在する様々な価値、強みをスマートフォンへと集中させていく流れを今後も加速していき、年に2回という他社比2倍のペースでスマートフォンの設計基盤を更新していくことで、これまで失うばかりだったカジュアルユーザーを受け止めるような製品にXperiaシリーズを育て上げる。これがひとつめの大きな目標になっている。

五感に訴える製品開発

五感に訴える独自製品の代表がDSC-RX1だ。写真はローパスフィルターがないタイプのR

しかし、これだけではユーザーピラミッドの形が崩れてしまったデジタルカメラ、ビデオカメラ、プレイステーションなど、ソニーが強みとする専門機分野を救うことはできない。そこで各カテゴリごとの製品を磨き込んでいる。

映像分野における4K(フルHDの4倍の画素数を持つ高精細映像)への投資、ネットを通じたハイレゾ(高品位)音楽配信と対応オーディオ機器の投入、スマートフォンでは得られない画質を得られる高級コンパクトカメラの開発などがそれだ。

スマートフォンで得た各種原体験を、二次体験、三次体験に広げるための製品開発を行っているという。

平井社長は「高画質、高音質、質感、デザインなどはクラウドやコンピュータに落とし込めない価値だ。五感に訴える部分を見すえて開発をしている」と話した。

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