「名もなき家事」がモヤモヤを増幅させている プロに対策を聞いてみた

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パラレル家事のポイントは2つ。1つは、ママが家事をしている時間は、家族みんなが家事をすること。

実は、夜遅く帰って来たパパに「お皿洗いしてほしい」とか「部屋の掃除をしてほしい」とは思うママは少ないのです。では、どんな時にイライラするのかと言えば「一緒に家にいるのに自分だけが家事をして、TVやスマホを見ている姿」。だからこそ、休日や平日の朝など家族がそろう時間帯はみんなが家事をする、とルールを決めるのです。

2つ目は、やるべき家事を手分けして終わらせる。小さい所で言うと、1つの家事を手分けして終わらせることがあります。

例えば食器洗い。「食器を下げる」→「食器を洗う」→「食器を拭く」→「食器をしまう」と完結までにいくつかの工程があります。下げるのはお子さんに、洗うのはパパ、拭いてしまうのはママというふうに、みんなで一丸となって完結してしまう方法です。

他にもゴミ捨ても、「ゴミをまとめる」→「ゴミを運ぶ」→「ゴミ袋をセットする」などと分けて、それぞれに手分けしてもいいですよね。

もう少し大きな時間帯で手分けをすることもできます。例えば忙しい朝の時間帯に「朝ごはんをつくる」→「子どもの着替えと保育園準備」→「食器洗い」→「ゴミ捨て」という流れあるとして、それを朝ごはんはママ、その間にパパは子どもの仕度、食後にママが食器洗いをしている間にパパはゴミ捨て、など。これは一例でしかありませんが、パラレル家事が大きな時間帯で振り分けられるようになると家族のチーム感が一気に高まります。

名もなき家事は「モラル問題」で済まない

名もなき家事には色々と種類がありますが、これらは「家事」というよりも「モラル」と言い換えられる部分も多いのです。

使い終わったトイレットペーパーを替えてない。

靴がグチャグチャで脱ぎっぱなし。

脱いだジャケットがいつまでもソファに置いてある、など。

これらは家事というよりも人と一緒に住む上でのモラル不足から生じるものも多いのです。

家族とは言え、そこは人と人が共存している場所。モラルを持って共同生活を行う意識が必要! そうは言ってもなかなか気がついてくれなかったり、ルールを守れなかったりする人もいます。その場合はルールをちゃんと仕組み化することが大切。「意識」なんて見えないものではなくて、「仕組み」としてしっかりと可視化させるのです。

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