ツイッター上場に”向かい風”が吹く理由 消えぬフェイスブックの「辛酸」

拡大
縮小

適正な企業価値

しかし、チャービッツ氏によると、ツイッターは海外で「限定的」にしか提供していない広告サービスを拡大する余地があり、ユーザー数の成長が減速しても新たな利益を得る可能性があるという。

ツイッターは3日にIPO申請書類を公表し、2011年に1億0630万ドルだった売上高が12年にはほぼ3倍の3億1690万ドルに拡大したこと、一方で大幅な損失を出していることなどを明らかにした。こうした状況は、わずか1600万ドルの売上高に対して約600万ドルの赤字を計上していたアマゾン・ドット・コムが1997年に上場を果たしたことを思い起こさせる。

またツイッターは、自社の広告単価が過去5四半期にわたり下落していると指摘。ただ、広告などのサービスを拡大するための意図的かつ長期的な努力による結果だと説明している。

こうした現状を受け、ほとんどの投資マネジャーらは、ツイッター株を急いで買わずに、まず企業価値やさらに多くの財務情報を見定めたい構えだ。

チャービッツ氏は、「この会社はほとんど利益が出ていない。100億ドルでも120億ドルでも、ツイッターは伝統的投資家にとって耐えがたい企業価値を付けようとするだろう」と見る。

バッファロー・グロース・ファンドの共同マネジャー、クリス・カーター氏はIPO申請書類を基に、ツイッターの適正な市場評価額が100億ドルではないかと分析。株価については、「なおデューデリジェンス(評価)を行っているところだ」と話した。

(原文:Poornima Gupta、翻訳:橋本俊樹、編集:本田ももこ)

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