日本発のファストファッションGUの野望 ジーユー・柚木治社長に上海で直撃

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 9月末、ユニクロが上海に世界最大の旗艦店をオープンした。何かとユニクロの話題ばかりが目立ったが、実は、同じ店舗内でユニクロの低価格ブランドGU(ジーユー)が初の海外出店を果たしている。
 2006年にファーストリテイリングから立ち上げられたジーユーは、09年に発売した990円ジーンズで業界に衝撃を与え、以後もアイドルや人気歌手を起用した大胆なプロモーション、銀座への旗艦店出店など、常に話題を振りまいてきた。足元では既存店が2ケタ増を続けるなど業績は好調。国内のみならず中国市場でも成功を収められるのか。ジーユーの強みと今後の展開について、上海の現地で柚木治社長を直撃した。

 

――なぜ海外初出店の地を上海にしたのでしょうか。

海外展開をしていく上で、もっとも市場が大きくて(日本発の)ファッションと親和性が高いのが中国だ。その中でも、上海は情報の発信力がもっとも高い。昔は香港に出店してから中国に進出するのがセオリーだったが、スピード感をもって展開するために、上海で勝負してみようとなった。

――具体的に海外進出を決めたタイミングは?

何年も前からずっと海外、海外と言ってきた。ようやく約1年前から具体的な計画を立て、この日のために準備をしてきた。実は、今年4月に(都市型店として)出店した「神戸ハーバーランドumie店」が、上海出店のための実験店だった。銀色のパイプを用いた最新の陳列器具と床の白い内装や強い照明でより商品を見やすくしている。

 中国でも日本とまったく同じ商品構成でやる

ロゴも(クリエーティブディレクターの)佐藤可士和さんにお願いして、今年3月に従来の「g.u.」から海外を意識したより力強いイメージの「GU」に一新した。6月にはインドネシアのユニクロ第1号店内にジーユーのコーナーを設けるなど、半年間ひたすらトライアルと微修正を重ね、ようやく今日、乗り込んできた。 

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