日本よりも中国人旅行者が集うタイの魅力 春節に沸く首都バンコクを徹底リポート

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バンコク中心部にあるチャイナタウン 黄金の仏像が祀(まつ)られている寺院では、春節で参拝に訪れた中国人らが寄進したタイバーツが大量にぶら下げられていた(筆者撮影)

今年も大いに世界をにぎわせた中華圏の旧正月、春節。人民元高も追い風となり、海外旅行に出掛ける中国人が目立つ時期だ。

昨年の春節では、チャイナパワーを取り込もうと、国全体が真っ赤に彩られるほどの勢いで祝うオーストラリアの様子を「中国人観光客を引き寄せる豪州流おもてなし」(2017年1月28日配信)でリポートした。

今年注目するのは東南アジア諸国だ。昨今の不安定な東アジア情勢の影響もあって最も中国人が集中し、世界一の人気エリアとなっている。中国のオンライン旅行大手、携程旅行網(シートリップ)などの統計によると、渡航先の人気ランキング1位は前年に続いてタイ。2位の日本を除いては、3位にシンガポール、4位はベトナム、5位インドネシアと、上位を東南アジア諸国が軒並み独占している。

さらには、中国が提唱する巨大な経済圏構想「一帯一路」のなかで、東南アジアは実に重要なポジションを占め、その存在感を強めている。春節に沸く東南アジアから、着実に根を張り巡らせるチャイナパワーの源泉を辿った。タイ、マレーシア、シンガポール、ミャンマーの4カ国におけるリポートを短期連載でお届けする。まずは、中国人の渡航先人気ランキング1位のタイだ。

春節の渡航先人気No.1のタイを訪れると

春節期間中の人気の旅行先トップの座を、昨年に引き続きキープしたタイの首都バンコク。その街並みは、中国で縁起が良いとされる赤一色に染まる様相を呈していた。筆者が宿泊したホテルのロビーでは、チェックインを待つ中国人の団体客らですべてのソファがほぼ埋め尽くされていた。

「富」や「財」などの文字が刻まれた金色の巨大硬貨のオブジェが出現 赤い服で着飾った中国人観光客や地元のタイ人で夜遅くまでにぎわっていた (筆者撮影)
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