仏教流! プレッシャーとどう戦うか? 「おもてなし」よりも「おかげさま」

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仏教では結果にとらわれない

因果の道理を説く仏教では、成功も失敗も、あらゆる結果は原因があって起こるものと考えます。原因が結果を引き起こし、その結果がまた次の原因となって、次の結果をもたらします。ここで大事なポイントは、仏教では結果に色をつけて見ないということです。結果が成功であったか失敗であったかというのは、人間の価値判断にすぎません。実際にそこにあるのは、結果として厳然とある事実そのものでしかないということです。ビジネスにおいて、予想以上に儲かったら成功を喜び、思いどおりの成果が出なかったら失敗を悲しんでも、結果そのものは変わりません。結果を結果として受け止め、その結果が次へのよき因として働くように、自分にできる行動をするのみです。

このように、他人から成功と言われようと失敗と言われようと、実際には、目の前にそのままの事実が唯一あるだけです。くよくよしても仕方がありません。「前後際断」という禅語があります。過去を悔やむことなく、未来を案ずることなく、今、なすべきことに全力を尽くすべし、という意味です。

自分に今できることは、現在の事実を起点として、これからよりよい行動を重ねることに集中することだけです。今の行動に集中するためには、過去の成功や失敗を引きずらないことが大切です。もちろん、原因の分析は言うまでもなく大切ですが、気持ちの面では引きずらないこと。思い切って、過去の成功も失敗も捨ててしまうことが、次に進むためには何よりも重要です。

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