1日15万個!「551蓬莱」の豚まんは驚異的だ 日本で1日に起きていることを調べてみた
数字、ファクト、ロジック。立命館アジアパシフィック大学の学長にしてHONZ客員レビュアーでもある出口治明さんは、この3つで物事を決定するべきだと説かれている。
これはサイエンスにおける研究の進め方でも同じである。なかでも最も重要なのは生の数字だ。相対値ではなくて、絶対的な数字。それがなければ話にならない。
日本国についてのそのような数字をこれでもかと惜しげもなく示してくれるのがこの本『日本で1日に起きていることを調べてみた: 数字が明かす現代日本』だ。というほど、たいそうな本ではまったくない。ほとんど脈絡なく、おそらくは著者の興味のおもむくがままに、タイトル通り「日本で1日に起きていること」の数字が紹介されていく。
「551蓬莱」の豚まんは1日15万個も売れる
まず、誰もが驚くであろう数字から紹介しよう。それは『551蓬莱の豚まん』の売り上げ数だ。ん、そんな豚まん知らんって? 知らなかったらよけいに驚くはずである。「豚まんの生地の品質を守り、手作りするため、関西以外に出店していない」551蓬莱であるにもかかわらず、なんと1日あたり15万個も売れるのだ。
いうまでもなく、うまい。人生において、いまだに551蓬莱の豚まんを嫌いだという大阪人に会ったことがない。まぁ、好きに決まっているんで、好きですかと質問したことはないから当然ではあるが。
どれくらいすごいかというと、首都圏を中心に160店舗を展開する崎陽軒のシウマイ弁当の売り上げが2万6000食である。シウマイが5個入っているから5倍しても13万個である。それに対して、551蓬莱の店舗は61店舗しかないのにこの売り上げなのである。
このデータは第4章『日本各地の1日』の⑦『大阪のソウルフード“551蓬莱の豚まん”1日の販売数』に載っている。ここまで言っても551蓬莱豚まんパワーのすごさが理解できない人でも、すぐ一つ前の⑥『京都を訪れる一日あたりの観客数』を見たら納得できるはずだ。その数15万6000人、551蓬莱の豚まん売り上げ数とほぼ同じなのである。京都の神社仏閣にうようよいる観光客全員が豚まんをかじっているところを想像してみたまえ。どれだけ凄いことかがわかるだろう。って、余計わかりにくいか……。
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