春の京都観光、TVCMが混雑緩和に力を発揮か 混雑敬遠の動きの中「穴場」紹介で分散狙う

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2月21日に都内で開かれた「『そうだ 京都、行こう。』2018春プロモーション発表会」の様子。左からゲストのお笑いコンビ、麒麟の田村さんと川島さん、今回のCM曲アレンジを担当した音楽家のコトリンゴさん、JR東海の本田啓之観光開発グループリーダー(記者撮影)

絵はがきのような四季折々の風景が印象的なテレビCMでおなじみの、JR東海による京都観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」1993年秋のスタート以来25年を迎え、CMのBGMとなっている「私のお気に入り(My Favorite Things)」も、もはや京都のテーマソングのように定着した。

今春、そのキャンペーンの対象として選ばれたのは、京都市山科区の「勧修寺(かじゅうじ)」。2月24日から首都圏と静岡地区で放映が始まったCMでは、900年に創建されたという歴史ある寺院の境内いっぱいに咲き誇る桜が映し出される。JR東海の担当者によると、勧修寺は「京都らしい歴史の深さと桜の美しさがすばらしい、首都圏ではまだまだ知られていない場所」。これまでに90カ所を取り上げてきたが、勧修寺はCM初登場という。

だが、今回のキャンペーンに勧修寺が選ばれたのは、知る人ぞ知る名所であることだけが理由ではない。近年、京都の観光で課題となっている「観光地の混雑」も関係しているのだ。

「そうだ京都」のインパクト

25年を経てすっかり定着した「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーン。京都市の観光担当者は「(CMの影響の)具体的なデータがあるわけではないが、特に首都圏方面からの誘客という点でインパクトは大きなものだと思う」(同市観光産業局)と話す。

その浸透ぶりを示す1つの例が、写真共有SNS「インスタグラム」で同じテーマの投稿を探すためなどに使う「ハッシュタグ」だ。JR東海が今年1月に公式アカウントを開設する前から、インスタグラム上では「#そうだ京都行こう」というハッシュタグが京都の写真などを投稿するユーザーの間で自然発生的に使われており、公式アカウントを立ち上げる時点ですでに14万件以上の投稿があったという。「そうだ 京都、行こう。」というキャッチコピーのイメージが広く定着していることがうかがえる。

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