傾斜配分に噛み付いたJALの本懐 異例の羽田発着枠配分にモノ申す!

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――行政に対して文書開示を請求したが、いつ頃をメドに回答を得るつもりか。

植木社長 期間については定かなものは持ち合わせていない。だが、国交省が十分に検討して今回の配分をした。十分な答えがもらえると期待している。質問状を出したところなので、その回答を待つというスタンス。内容いかんでは、次のステップを考えざるをえないケースもある。

――次のステップとは、どのようなことを考えているか。

植木社長 回答内容を見なければ検討ができない。今、お答えをするつもりはない。

国際線は恒久枠

――是正などを申し入れるというが、納得するのはどういうカタチか。また、昨年決まった国内線枠の配分でもANA8、JAL3と大きな差がついた。国内線では是正を申し入れなかったのに、なぜ国際線はやるのか。

植木社長 われわれが主張してきたのは個社の利益ではない。国際線の新規枠は国民の重要な財産である。これをいかに最大化するか。われわれが試算したところでは、それはイーブンな配分だった。国土交通省の説明がそれに合致するものであれば納得する。ただ、今の配分では納得できない。

JALが提出した申入書

国交省は「適切な競争環境の確保」を傾斜配分の理由に掲げるが、それを行うに当たって、国民の貴重な宝、ましてや恒久的な影響のあるものを使っていいのか、お聞きしたい。一方、国内線の8:3については、それはそう遠くない時期に再配分がある。残念ではあったが、今回は受けさせていただいて、前を向いてやっていきたい。

――国交省は「(JALとANAの間に)体力差が出てきている。将来の格差を是正したいので傾斜配分にした」と話していた。発着枠に限らず、今後の企業再生についても影響があるのではないか。

植木社長 そういった部分も含めて、申入書で質問している。現在は体力差があるが、競争環境の不公平さはない。この先に予想される、もしくはおそれがあるという中で、何らかの制約を求めることが正しいのか、疑念がある。是正する手法として、国民の財産である恒久枠を使うのが正しいのかどうか。公的支援を得て再生を果たしたことは感謝しているが、その後で行政として何かの制約を課すのは違うのではないか。

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