「不登校になった小学生」に親は何ができるか 小学校2年生の息子が学校に行かない

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現在の学校教育は、何でもこなすマルチ型の人間が評価されるようになっています。逆に一点集中型の子どもたちにとっては、居心地の悪さを感じてしまうということも少なくありません。一点集中型の子の「一点」の部分が、もし学校教育の中になかったら、その子は、さらに大変な思いをして学校に行くことになりかねません。小学校より中学校のほうが不登校生の数が多いですが、おそらく発達の段階で、より個性が強調されるため、周囲との違和感を持つのではないかと思われます。

後藤さんのお子さんは、まだ小学2年生であるため、中学生や高校生の場合とは異なるかもしれませんが、学校の雰囲気に何か違和感を持っており、それをある意味、正直に表現しているとも考えられます。

では後藤さんのお子さんの状況をみてみましょう。

□ 入学してから機嫌よく学校に行ったことが数えるほどしかない
□ 宿題は強制的にやらせ、イヤイヤながらやっていた
□ 「学校の全部が嫌だ! 勉強も大嫌い!」と言って不登校になった

この状態から推測すると、わがままとは異なる「強制されることに過度な違和感を持つ」パーソナリティを持っている可能性があります。小学2年生では、このようなケースはそれほど一般にはありませんが、かといってマイナスのパーソナリティというものでもありません。すでに今の段階から、自分の主義主張を持っており、それを体全体で表現していると考えていいでしょう。

今やっている方法をきっぱりとやめてしまう

では、親としてどうしたらいいかというお話です。次の方法を試してみて下さい。

「今の対応方法とは、真逆の方法をとる」

つまり、今やっている方法=「無理やり学校に行かせる、無理やり勉強させる」をきっぱりとやめてしまうのです。やめることで親がイライラ、心配することがあるかもしれませんが、それもできるだけ表に出さないようにします。

そんなことをしたら「もっと心配になる」とお感じになるかもしれません。もしそう感じるとしたら、「子どもにあれこれとしてしまう目的は、親が『自分の気持ちを安定させるため』になってしまっている」からかもしれません。強制されるのが嫌いな子どものことを考えるなら、今は無理やり学校には行かないほうがいいし、勉強はしないほうがいいように思います。しかし、ここからが大切なのですが、筆者は「子どもが一生このままの状態でいて良い」ということを言っているのではありません。子どもが自分で人生を切り拓いていけるようになる状態にすることがゴールであると考えていますが、あくまでも現在の初期段階では、「逆の方法をとったほうがいい」というお話なのです。

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