西武球団「ドーム大改修」鉄道に効果はあるか 40周年を機に本拠地を「ボールパーク化」

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――西武鉄道の特急レッドアローには、『レッドアロークラシック』や、秩父夜祭・川越まつりのユネスコ無形文化遺産登録を記念した『プラチナ・エクスプレス』がある。ライオンズラッピングのレッドアローを導入したら面白いのではないだろうか。

「西武グループに対するひとつのご提案として承りたい」

――埼玉県には西武鉄道のほかにも、東武鉄道や秩父鉄道など複数の鉄道事業者がある。グループ外の鉄道事業者との連携拡大についてはどのように考えているか。

「西武鉄道との連携を中心に、他の鉄道事業者との連携も徐々に検討していきたい。個人的な話になるが、私の出身地である秩父は西武グループの力によって発展してきたという思いがある。当球団と秩父市は連携協定を締結しているが、秩父鉄道とも何らかの形でコラボできればと考えている」

――西武線と直接つながっていない地域でもライオンズファンを増やすことが重要ではないか。

「将来的には、埼玉県全市町村との連携協定締結を実現し、ファンをさらに増やしたい。そして、自治体、学校などと協力したスポーツを行うきっかけの提供、他スポーツ団体との連携や活動の推進、および自由に野球、スポーツができる環境整備への支援を通して、地域に貢献していくつもりだ」

西武沿線外にも連携拡大を

西武秩父駅に乗り入れた秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」(右)。初乗り入れ時のテープカットの様子(編集部撮影)

ライオンズの井上事業部長は、鉄道事業者や地域との連携強化をさらに進める意向を示した。親会社の西武鉄道は秩父鉄道への直通列車の運行などにより連携してきたが、さらに2016年からは、秩父鉄道の「SLパレオエクスプレス」の西武秩父駅への乗り入れも数回行われており、ライオンズをはじめとする西武グループと他の鉄道事業者・地域の連携拡大の機運は高まっている。今後は、ライオンズを意識させる内装を備えた観光列車を導入し、秩父鉄道から西武球場前行きの直通列車として走らせてはどうだろうか。

また、西武グループと東武鉄道が連携し、2016年8月24日から9月18日の期間限定で、東武東上本線での「『東武×西武』ライオンズトレイン」の運行が実現したことも記憶に新しい(詳しくは東洋経済オンライン2016年9月16日付記事「西武と東武、埼玉の"宿敵"が手を組んだ理由」を参照)。

さらに、西武沿線外の埼玉県民へのPR策として、ライオンズの1軍の試合が開催されている埼玉県営大宮公園球場が沿線にある東武野田線でのライオンズトレインの運行を優先的に実施するとともに、埼玉県内で鉄道路線を運営する東日本旅客鉄道(JR東日本)、埼玉新都市交通、埼玉高速鉄道、東京地下鉄(東京メトロ)、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)とのコラボも積極的に検討したいところだ。

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