最新!「有休取得率」の高い300社ランキング ホンダが7連覇、トップ3も系列が独占

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『CSR企業総覧』に収録している項目のなかでも、とりわけ読者の関心の高い項目の1つに有給休暇取得率のデータがある。本稿では各企業の最新データを基に、有給休暇取得率の高い順に300社をランキングし、その傾向や上位企業を中心に特徴的な取り組みを紹介していく。

なお、本ランキングは、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2018年版掲載の1413社のうち、有給休暇取得率を開示している1174社を対象とした。ランキングのベースデータは有給休暇取得率の3年分の平均値を採用しているため、3年連続で開示のない企業は含まれない。また平均付与日数が10日未満の企業も対象外とした。

トップ3をホンダ系列が独占

今回もランキングトップは自動車大手のホンダで、7年連続で首位の座を維持している。3年平均の取得率は99.6%に達する。ホンダでは、次年度への有給繰越日数の上限は20日で、21日以上の分はカットされてしまうため、有給休暇の残日数を必ず20日以下になるよう、つまり有給休暇がカットされないよう計画的な取得を進める「有給取得カットゼロ運動」という取り組みを進めている。

40年以上前から進められているこの取り組みにより、2006年度以降の直近10年間の取得率をみても完全消化状態にあり、2010年(98.9%)、2012年(99.4%)、2013年(99.0%)、2016年(98.4%)以外の6年は100%を超えている。さらに、一定の勤続年数を経過した従業員を対象に連続有給休暇取得を奨励する制度を導入しているほか、5月や8月、年末年始にもそれぞれ連休が設定されている。

2位はホンダ系の四輪シート部品メーカー、テイ・エス テックで、昨年に続いての2位となった。平均取得率も99.5%と昨年調査から1.1ポイントアップし、首位ホンダに肉薄してきた。同社も「有給休暇繰越カットゼロ」の取り組みを進めていることが奏功している。

東日本大震災やタイの洪水による工場浸水の影響もあって、2011年度は取得率が81.9%に低下したが、2012年4月からは半日単位の有給休暇制度をスタートさせたこともあり、2012年度以降はほぼ完全消化のレベルにある。2016年4月からは半日休暇取得の限度日数を6日分へと拡大し、さらに利用しやすい運用体制を整えている。

3位も昨年に引き続き、同じくホンダ系の部品会社で電子燃料噴射関連や気化器などを製造するケーヒンが入った。直近2016年度の取得率100%達成もあって、平均取得率は昨年の97.6%から99.1%に上昇した。同社も有給休暇繰越カットゼロの取り組みを進めているほか、2014年4月に導入した半日有給制度により、2013年度95.4%から2014年度98.1%と取得率が高まった。

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