44歳で「発達障害」診断された主婦の苦悩人生 買い物依存も症状の一つ、大人は支援がない

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当時は今以上にうつ病に対する偏見がひどく、怠け者と思われていましたし、『本当は働けるのに不正受給している』と、大炎上しました。いきなり全部削除するのも格好がつかないので保護が打ち切られるときに『生活保護をやめるので、このホームページも削除します』と書き込んで消しました」(倉田さん)

ADHDの症状は便利アイテムを利用して対策

うつやADHDの症状を抱えながら、職を転々としていた倉田さん。物流関係の仕事は何社か経験したが、仕事をうまく進められずに困ったことがあった。

「13時半になったらそのときやっている作業をいったん中断し、別の階に行って違う作業を行い、それが終わったらまたさっきまでやっていた業務に戻らないといけなかったのですが、私にはそれができない。作業に夢中になっていて、13時半に別の作業をやるということをすっかり忘れてしまっているんです。それで、本当に困って旦那に相談したところ、とても良いアイデアをくれました」(倉田さん)

そう言って差し出された倉田さんの左腕には白いGショックがはめられていた。

「そこの事務所内はセキュリティの関係上、携帯電話の持ち込みが禁止だったので、このGショックで13時半にアラームを設定してはどうか、と旦那が言ってくれて実行したんです。このライフハックのおかげで、仕事のすっぽかしはずいぶん減りました」(倉田さん)

Gショックのほかにも、発達障害の症状を緩和するために倉田さんが利用しているアイテムがある。それが、デジタル耳せんだ。聴覚過敏の症状があるので、音がキツく感じるときはデジタルでノイズをキャンセルする。お気に入りはソニーのブルートゥースノイズキャンセリングイヤフォンだが、すぐに充電が切れてしまうため、キングジムのデジタル耳栓も持ち歩いている。

倉田さんが利用しているデジタル耳せんとGショック(筆者撮影)

倉田さんは仕事だけでなく職場の人間関係でも「やらかした!」と思うことがたびたびあった。

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