萌え断女子が殺到するフルーツサンドの秘密 フルーツを使った商品は進化し続けている

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フツウニフルウツのフルーツサンド。買ってその場で撮影をする人も多い(撮影:今井康一)

甘酸っぱいイチゴやバナナなどのフルーツとふわふわの生クリーム。ちょっとレトロで懐かしい「フルーツサンド」が昨年あたりから人気だ。カラフルな具材を詰め込んだサンドイッチの断面に萌える、いわゆる「萌え断」が、インスタ中心に盛り上がった流れもあり、もともと「見た目偏差値」の高いフルーツサンドも見直されている格好だ。

ただし、たかがフルーツサンドと侮ることなかれ。中には女性が殺到する行列ができるフルーツサンド店もある。東京・代官山に店を構える「フツウニフルウツ」がそれだ。2016年10月にオープンしてからメディアで取り上げられたり、グルメ芸人が紹介したことでじわじわと人気に火がつき、今では夕方6時の閉店までに、平日には200個、週末は300個を売り上げるほどになった。アジア圏を中心に海外から訪れる客も少なくない。

クセになる味わいの秘密

東横線・代官山駅から歩いて5分ほど。正直、あまりわかりやすいとはいえない場所にフツウニフルウツはある。坂の途中にある店舗は、店というよりスタンド、という外観。青い壁にカラフルな模様が施された外観はいかにもインスタ映えしそうだ。実際、買った商品を食べられるちょっとしたテーブルにサンドを載せて、写真を撮っている女性が多い。

サンドイッチスタンドという風情の店舗。外観もインスタ映えする(撮影:今井康一)

極寒のある日、午後2時に訪れたときには、さすがに行列はなかったが、それでも若い女性を中心に、ひっきりなしにやってくる。この日並んでいたのは、イチゴとあんこを挟んだ「イチゴダイフク」(400円)、バナナとグレープフルーツ、キウイフルーツなどを挟んだ看板商品「フツウニフルウツ」(350円)、リンゴが主役の「ダブルリンゴ」(380円)など、どれもさっぱりした味わいで、フルーツとクリーム、あっさりめの食パンのコンビネーションがよく、食事にもできそうだ。

店頭には色とりどりのフルーツサンドが並ぶ(撮影:今井康一)

クセになる味わいの秘密は、店長の松田剛毅氏による独自の工夫にある。フルーツサンド用に製造された食パンに酸味があるクリームチーズを塗り、マスカルポーネチーズを混ぜた生クリームを塗ってフルーツを挟んでいるのだ。

使っているフルーツにもこだわりがある。たとえば、2月まで提供する季節商品の「ハナキン」(380円)は、金柑のスライスにジンジャーパウダーを加えてを挟んだもの、とその時々の季節に合わせたフルーツを使っている。

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