50歳以上でも「つみたてNISA」が良い理由 普通のNISAと迷ったらどっちを選ぶのが得?

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「NISA」と「つみたてNISA」、入るならどっち? 筆者が「若くても50代以上でも、つみたてNISA。夫婦で入るとなおよい」という理由とは?(写真:kou/PIXTA)

2018年1月、つみたてNISA(少額投資非課税制度)が始まりました。毎年40万円まで非課税で20年間運用ができるという制度です。一方で、NISAには2014年に始まった一般NISAがすでにあります(年間120万円、最大5年まで非課税で運用)。つみたてNISAと一般NISAの両方に入ることはできません。最近よく「どっちに入ったらいいの?」と聞かれるので、今回はこのお話について、読者のみなさんと考えてみたいと思います。

一般NISAの7割は50代以上、実際の稼働率は6割?

つみたてNISAは、一般NISAに比べて「地味な幕開け」でした。先にスタートした一般NISAは、当初は年間100万円までの非課税枠(2016年から120万円に拡大)、投資対象についても個別株でも投資信託などでも、と選択肢も豊富で、金融機関にとっては売り上げアップの好機でした。そのため、多くの金融機関で口座獲得キャンペーンが行われました。NISA口座を開設すると、数千円のキャッシュがもらえたりしていたので、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

日本証券業協会によると、2017年9月末における全金融機関での一般NISAの口座開設数は1102万口座。そのうち50歳以上が占める割合が約7割です。ただし実際にNISA口座で金融商品を購入した、いわゆる「稼働率」はおよそ6割にとどまっているという調査もあります。キャンペーン目当ての口座開設が多く、金融庁が掲げている「貯蓄から資産形成へ」の目論見とはやや外れた結果になっています。

金融庁の狙い通りにいかなかった点は、稼働率だけではありません。そもそもNISA創設の目的は、国民が適切な投資行動を行うことによって、預金だけに偏らず、経済成長の恩恵を受けて資産を成長させていけるようにしたいと願ったからです。そのため、運用益にかかる税金をゼロとしたNISAを創設したのですが、金融機関の販売行動は、全体としては残念ながら、金融庁の思惑とは違ったものだったのです。

NISAで非課税となるのは、売買によって得られた運用益の他、株式配当や分配金です。そこで売れ筋商品となったものが「毎月分配型」投資信託でした。

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