「この人は頭がいい」と思わせる超簡単なコツ 「ごちゃまぜ質問」があなたの評価を下げる

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あなただって、カフェで「カフェオレ」を注文したときに、店員さんに「カフェラテですね」と言い換えられたらなんとなくムッとしますよね。それと同じことです。

3・メモをしながら質問する

生きた質問というものは、予定調和の一問一答ではありません。相手によっては、答えが予想外の方向に広がっていくこともしばしばです。

すると、途中で「あれ、自分はもともと何を聞こうとしていたんだっけ?」と、会話の本流を見失ってしまうことがままあります。そうなると、せっかくの質問が、流されるままに、たいした実りもない雑談で終わってしまいます。

こうした失敗を防ぐ、つまり会話の本流を見失わず、仮に途中で支流に逸れてしまってもうまく本流に戻るためには、メモをしながら質問をするのがベストです。そしてそのメモを、相手と自分の間に置いて会話を進めるのです。そうすることで、「話の流れ」を相手と共有することができます。

さらにスムーズに互いの理解を共有するには、テキストではなく図解でメモをするのがポイントです。

テキストだと、自分の頭の中でどのように会話が整理されているのか、相手にはなかなか伝わりづらいもの。フローチャートやマトリックスなどの形式でメモをとっていれば、論点を整理しながらお互いが同じ理解に立って話を進めることができますし、話が本流から逸れたときも、すぐに元に戻ることできます。たとえば「(商品搬入の流れ)①A社倉庫→②当社倉庫→③イベント会場」と、①②③それぞれを丸で囲んで矢印でつなぐといった具合です。

『超一流 できる人の質問力 人を動かす20の極秘テクニック』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

私自身は、会議室のホワイトボードにメモをしながら打ち合わせをするのを習慣にしていますが、昔はホワイトボードがなかったので、仕事先にものすごく大きなデッサンノートを持っていって、相手によく不思議がられていました。デッサンノートとは言わずとも、大きめのノートやペンタブレットがあれば、きっと質問の役に立つでしょう。

質問の目的とは、相手から新しい情報や考え方を吸収して、自分の情報や考え方をレベルアップさせること。そのためには、相手が「どんどん答えたい」と思うような質問者にならなくては始まりません。ここで挙げたテクニックを活用して、ぜひ「一目置かれる質問者」になってください。

安田 正 パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役

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やすだ ただし / Tadashi Yasuda

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。1990年より法人向け英語研修を始め、現在は英語の他、ロジカル・コミュニケーション、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。大手企業を中心に1700社に研修を行い、一般社員の他に役職者1000人以上の指導実績を持つ。また、東京大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などでも教鞭をとる。主な著書に『超一流の雑談力』(文響社)、『超一流の雑談力 超・実践編』(文響社)、『まんがでわかる超一流の雑談力』(宝島社)、『超一流できる人の質問力』(マガジンハウス)、その他の著書に『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)、『一流役員が実践している仕事の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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